やる気があれば売上2倍!通常業務から生まれるコンテンツをSNSに活用せよ

いまや非常に多くの企業がソーシャルメディアをデジタルマーケティングに利用しています。しかし一方で、企業SNSをどうやって運用すればよいのか、目指すべき方向さえ分からないまま利用している企業も少なくありません。

企業SNSを導入・運用するためには、知識を得て計画的に実行すると同時に、さまざまな事例にふれることも重要です。

そこで今回は、コンテンツの作り方を中心としたインタビューをお届けします。ぜひ皆様の企業SNS導入・運用にお役立てください。

前回のインタビュー『交流の舞台はTwitterへ。SNS活用により1年間で4倍に増えた「ウェブ解析士の輪」』、「SNSの基礎知識を学ぶ講座・資格」、「SNS運用管理者を養成する講座・資格」もあわせてお読みください。

Aマーケティング合同会社CEO 平岡謙一(ひらおかけんいち)さん

今回は、さまざまなSNSを駆使し、小さな会社が自分でできる「デジタルマーケティングのヒント」を発信されている平岡謙一さんにお話を伺います。事業としても、中小企業むけにウェブ解析をベースとしたサイト改善と集客方法を提供し、売上アップをサポート。スタートアップの社外顧問として、マーケティング戦略の構築と実行、プロダクトへのフィードバックまで全てカバーされている方です。
日本ではウェブコンサル事業・サブスク事業構築、フィリピンではオフショア開発、マレーシアでは越境ビジネスサポートと、幅広く展開されています。

このインタビューでは、ご自身の活動に対するブランディング、企業のブランドマネジメント、2つの視点から回答をいただきました。デジタルマーケティングに本気で取り組みたいと考えている方に、有意義となるでしょう。

「まだお金は払えないけどやる気だけはあるよ」って方達を救いたい

--平岡さんご自身がSNSを運用している目的は何ですか?

僕の情報発信に関しては、「このSNSを運用している目的はこれです」って、それぞれ単体ごとに目的があるわけじゃありません。

この二つを目的として、それをドリルダウンしたところにソーシャルメディアがあるんです。

【社会的】地方の中小企業・零細企業をサポートしたい

地方の中小企業って、あんまりマーケティングのノウハウがないので、困っている方がたくさんいらっしゃいます。とはいえ、すごいお金を払えるわけじゃない。

もし少しでもやる気がある企業に、ちゃんとした情報を提供することができれば、その企業は自分たちだけでも動ける。地方の零細企業が自分たちだけでもデジタルマーケティングに取り組める。そんな「まだお金は払えないけどやる気だけはあるよ」って方達を救いたいと思い、情報を発信しています。

【個人的】自社の売り上げアップ

もちろん新規の集客という目的もあります。新規だけでなく、既存のお客さんについても、僕の発信した情報を読んで「やっぱり平岡さんすごいな」って思ってもらえれば、継続率アップにつながるという狙いもあります。

リーチの幅を最大限にとるためにいろんなプラットフォームを使う

--運用されているソーシャルメディアを教えてください

お客さん自身の情報発信は、企業によりますが、LINE・Twitter・Instagram・Facebookに、ブログを絡めたりしています。

僕自身の情報発信は、LINE・Twitter・Instagram・Anchor・note・Facebook・スライドシェア・Clubhouseです。実は今、YouTubeやTikTokも始めました。

--それ全部、運用されているのですか?何か理由があるのでしょうか?

「リーチを最大限に広げるためにいろんなプラットフォーム使う」というのがひとつめの理由です。例えばユーザー像って、ベン図で書くとかぶらなかったりしますよね。音声聞く人は習慣的に音声を聞きますし、文字情報ばかり見ている人はやっぱり文字情報にふれる、動画を見る人は動画を見る。仮にTwitterしか運営していなかったら、Twitterを使っていない人にはもうリーチできない。ユーザー側の使っている媒体がそれぞれ異なるので、極力いろんな媒体を使いたいなと思っています。

もうひとつの理由が「自分が使わないと、お客さんにサービスが提供できない」こと。例えば、自分がYouTubeを使っていなければ、お客さんに「YouTube、最近いいですよ」とは言えない。だから全媒体、極力使います。お客さんのリーチの幅を最大限にとっていくために、半分勉強も兼ねて、いろんな媒体を使っていたら、結果的に増えていきました。

実体験に基づいているからこそ言える「時間がなくてもコンテンツは作れる」

--それだけプラットフォームが多いと、運用するのは大変ですよね?

いかに少ない生産コストでコンテンツつくるかっていうのは、僕のテーマでもあります。

やっぱり一番大事なのは、無料で情報発信することじゃなくて、お客さんの売り上げを上げること。日中の労働時間は、お客さんのために使いたいんです。だから18時ぐらいまでは極力お客さんに時間を使って、その後の、自分の時間に情報発信しています。

今では、限られた時間の中で、少ない工数のコンテンツをバンバン作れるようになってきたので、副次的なメリットも生まれました。例えばお客さんが「コンテンツは作れるけど、時間がないんです」なんて言っても、「いや、時間がなくても作れるよ」って実体験に基づいて言えるんですよね。

通常業務の中で自然に生まれたコンテンツをサイクル化

--どうやって限られた時間・少ない工数でコンテンツを作っているのですか?

僕自身が情報発信する場合、コンテンツを新規で作っているのは、Twitterだけです。さらに言えばTwitterに投稿している内容も、通常業務の行動動線に自然と生まれてきたコンテンツですね。自然と生まれるコンテンツには価値があるので、それを世に放てば、それだけで役に立つのではないかと思っています。

例えば、お客さんから「ブログの記事、どう書いたらいいですか」って聞かれたときのアドバイス。外注さんから「LPはどういう構成で作りますか」って聞かれたときに伝えた論理展開。僕の場合は、そんな日々のやりとりを、140文字というフォーマットで切り抜いて、Twitterにポストしています。

そしてTwitterでいいね数やリツイート数の多いコンテンツは、みんなから必要とされたコンテンツと評価し、次のようなサイクルに則って他のプラットフォームへ回していきます。

  1. 通常業務からコンテンツが生まれる
  2. Twitterに投稿
  3. 評価されたコンテンツを、共通するテーマごとにくっつけてFacebookに投稿
  4. 文字の大きさや太さなど、装飾してnoteに投稿
  5. 朗読して、Anchorに投稿
    →さまざまな音声メディアに自動配信
  6. 情報が増えてきたら書籍化
  7. 上記いずれかの媒体から、僕のことを知り、話を聞いてみたいという人が現れる。
    その方との会話から新たなコンテンツが生まれる

この一連のサイクルさえ回しておけば、

  • 新たなお客さんが増える→会話から新たなコンテンツ
  • 業務量が増える→外注さんが増える→指示から新たなコンテンツ

と、低コストでコンテンツを生成していけるのです。

幼稚園なら保護者通信、歯医者さんなら患者さんとのやりとり

--お客さんの場合も、同じようなサイクルを回すことが可能なのでしょうか?

社内で日々、どんなやりとりしているのか確認すると、どんな会社の通常業務にも、コンテンツは生まれています。

例えば幼稚園の場合。毎月、保護者通信みたいな紙を配っていたんです。保護者通信を作るためには、一生懸命写真を集めるし、綺麗なかわいい子供たちが遊んでいる写真が集まる。お母さんに伝えるべきメッセージも作りますよね。それなら写真はInstagramにもあげればいい。チラシは言語化して、自社のブログに載せればいい。そしてブログを更新する度に、最初の数行だけコピペして、Google Myビジネスに投稿すればいい。

歯医者さんの場合、患者さんとの会話には、患者さんからの質問がたくさんありました。その質問内容を、その日のうちにメモして集めれば、よくある質問集ができあがる。

「本気で行動したい」と思って見直せば、通常業務の中には必ず良いコンテンツが生まれていることが分かるでしょう。

コンテンツを作る文化ができるまでは行動KPI、文化ができたら結果KPI

--投稿の頻度などKPIは決めていますか?

お客さんの場合、目標がないと動けなくなってしまうので、企業のフェーズにあわせて明確にルール化しています。

例えば契約直後で、まだコンテンツを作る文化・風土がない場合は、行動をKPIで管理します。Twitterなら1日2ツイートしましょうとか、Instagramは一週間に1日1回で週5回作りましょうとか、ブログだったら1週間に1回書きましょうとか、Google Myビジネスなら1週間に1回更新しましょうとか。

更新の仕方は、日々のやりとりの中のコンテンツを毎日ちょっとずつ上げましょうとか。目指すべき売上高などは、経営者や社長と合意形成しているので、そこから逆算して、そのために必要な行動をルール化しています。

文化や風土が成長してきたら、行動ではなく、結果にKPIを変えていきます。賛否両論ありますが、やはり地方だとフォロワー数が分かりやすいので、「投稿することが目的ではなく、フォロワー・自社のファンが増えることが目的ですよね、だからKPIをフォロワー数に変えましょう」といった感じで、変えていくんです。

意図があるコンテンツしかアップしない

--ご自身のSNSのKPIはどのように決めているのでしょうか?

僕自身の情報発信は、業務ではありませんし、自分の負担を増やさなくても続けられるやり方を模索しているので、ルールは決めていません。そもそも「行動動線の中で、もうすでにできあがっているコンテンツをパブリックに公開するだけ」というスキームで運用しているので、KPIで管理はしないし、できないんです。お客さんとのやりとりで何も発生しなければ、ツイートしない日もありますし、逆に伝えたいことがいっぱい出てきた日は何ツイートでもします。いいね数とかフォロワー数とかUGCは、KPIで管理するのではなく、結果として受け取っています。

ただし、フォロワーが見たいコンテンツか、見せなきゃいけないコンテンツかについては、アップする前に注意しています。

例えば、プライベートの写真を狙ってあげることがあります。「平岡さんもお子さんいたんですね」とかちょっと盛り上がって、お客さんとの関係性が深まるなと思ったら、わざとあげているんです。感情に任せたツイートも「それが相手に届いて少しでも良くなって欲しい」という意図があるならあげるし、ただ自分の怒りをぶつけるだけなら意図がないのであげない。「意図があるコンテンツしかアップしない」という点は、管理しています。

お客さんの数も質もあがった

--ご自身のSNSについて、今の形になった経緯と今後の展開を教えてください

以前は、デジタルマーケティングの会社を経営していたのですが、次の展開としてアジア進出が決まり、昨年の1月に退職しました。それまでは普通につぶやきたいことをつぶやいていたのですが、SNSやブログを使って集客するのが一番やりやすいので、現在の「ノウハウをシェア」する運用スタイルに変えたんです。

1年前、運用スタイルを変えた当初は成約率が悪かったですね。SNSもまだ頑張っていなかったので、僕のやりたいレベルと、お客さんが期待しているレベルのミスマッチがあったのだと思います。

でもコンテンツがしっかりしてくると、僕の文脈などから「この人、厳しいみたい」というのが分かったうえで覚悟を決めて、自分から主体的に問い合わせてくれる企業さんからの発注が増えました。覚悟が決まっているお客さんは、頑張るから成果がでる、成果が出るからコンテンツを頑張って自分たちで作り続けてくれるんです。情報配信をすることによって、僕の事業もすごく伸びたので、やってよかったなと思っています。

ただ僕の仕事は労働集約的なので、これ以上は受注できないんです。現在、アジアに会社を作っているので、そちらで受注できるような体制になると、今お断りしている会社さんも全部受けられるのではないかと思います。

もし、今お断りしているお客さんを全部受注していた場合、売上が1年前の10倍になった計算です。情報発信によって、1年で10倍の売上がとれるようになるというのは、それなりの可能性があるのだと思っています。

企業SNSを始める方へのアドバイス

--参考にされているアカウントなどがあれば教えてください

特定のこの人というのはありませんが、ノウハウだったら、垣内さんとか枌谷(そぎたに)さんとか。書き方というよりも、理念などを参考にさせてもらっています。また、Dearsという店舗を運営している北原さんも、低いコストで綺麗なコンテンツを生産するのが上手だなと思っています。

インタビューを終えて~低コスト×サイクル×覚悟~

インタビューを終えて、印象に強く残ったのは、「低コスト」「サイクル」「覚悟」でした。通常業務のなかから自然に生まれたコンテンツを拾い上げるだけ。それをサイクルにのせるだけ。簡単なことに見えますが、それを見つける能力、運営管理する能力、そして何より「時間がない」と言い訳しない本気の覚悟が平岡流「成功への鍵」であると感じます。

自身の経験を活かし、社会的な利益と自社の利益を追求する平岡さん。次はアジアへの進出が決まっています。新たな経験がもたらす行動動線からどんなコンテンツが生まれ配信されていくのか、楽しみでなりません。もしあなたが、デジタルマーケティングに本気で取り組みたいと考えているなら、今すぐフォローして読んでみてはいかがでしょうか。わざわざ新たなプラットフォームのアカウントを登録する必要は(おそらく)ないのですから。

プロフィール~平岡謙一~

1979年生 2021年まで岐阜県にて活動
WACA認定 ウェブ解析士マスター
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Google広告 検索広告認定資格(Google Ads Search Certification)
Google広告 ディスプレイ広告認定資格(Google Ads Display Certification)
Aマーケティング合同会社CEO
サブスクリプションテクノロジーズ株式会社CMO
CYOLAB PTE.LTD. CMO
https://hiraokakenichi.com/

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