コラム

EC業界はAI(人工知能)でどう変わる?

2018-03-21いろいろ

一昔前、AI(Artificial Intelligence:人工知能)といえば、ロボットのような形状を持つ特別なものというイメージがありました。しかしここ数年、自動車や家電など、日常生活でふつうに使っているものにAIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)が活用されるようになりました。

特にディープランニングを駆使したノールックAI家電の普及には目を見張るものがあり、昨年のボーナスで「Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカー(対話型音声アシスタント)を購入した、AI炊飯器や電子レンジを検討した」という人も多いのではないでしょうか。

小売業では無人店舗・無人コンビニへの取り組みが進み、アメリカシアトルの「Amazon GO(アマゾン・ゴー)」、中国の「TAO CAFE」「Take Go」「Bingo Box」が相次いで登場。日本でも、JR東日本の「完全スルー型レジシステム(スーパーワンダーレジ)」実証実験が注目を集めました。4月には「モノタロウ AIストア」もオープンします。

AIに置き換わる業務はどれ?

Eコマース業界におけるAI化も進んでいます。例えば、ECサイト運営における一般的な流れをみると

  • 商品仕入れ・入荷
  • 商品登録(撮影・採寸・原稿)
  • 在庫管理
  • 集客・接客・販売促進(お問い合わせなどへの対応)
  • リコメンド機能
  • 受注・決済
  • 梱包・発送
  • 顧客管理
  • フォローメール・ステップメール・メルマガ(リピート顧客への誘導)
  • トラブル対応・サポート
  • 分析・改善
  • 会計業務

などがあります。このサイクルの中で、どの部分がAIに変わる可能性があると思いますか?
実は既に、ほとんどの項目をAIに置き換えることができそうな時代になっています。一部、紹介してみましょう。

ECにおける 話題のAI導入事例

つぶやいて商品登録

東芝デジタルソリューションズのリリースによれば、

「RECAIUSフィールドボイス」が、株式会社ささげ屋の”衣類採寸業務”に採用
~ 衣類を採寸しながら「つぶやく」だけでデータ登録でき、負担軽減・効率化を実現 ~
東芝デジタルソリューションズ ニュースリリース(2017年12月7日)

とあります。

商品登録に必要なささげ(撮影・採寸・原稿)にAIを導入することにより、作業時間を大幅に短縮するだけでなく、誤入力などのミスが減り、効率がアップすることが期待されているのです。

加速する「会話型ECによる接客ツール」の導入

LOHACOの「マナミさん」など、さまざまなチャットボット(Chat Bot:自動会話プロブラム)を使ったことがある方も多いのではないでしょうか。ユニクロでも、チャットボットを利用したアプリ、コーディネートやトレンドワード、カテゴリから商品を探すAIコンシェルジュ「UNIQLO IQ」を今春公開と発表しています。

ユーザーの好みを分析し提案するレコメンド機能、また外国人の方への多国語対応など、AIが代替しやすい分野だけが注目されているわけではありません。店員から「何をお探しですか?」と声を掛けられることが苦手な人でもチャットボットからの声掛けであれば抵抗がない、といった利点を導入理由とするケースもあるようです。

電話による受注も自動入力

協和の「フラコラ」プロデュースにより、AI音声認識コンタクトセンターシステム「VContact」に「帳票連携機能」を搭載したモデルも登場しています。

お客様との会話をリアルタイムに音声認識を行い、お客様のご氏名、生年月日、電話番号、性別、郵便番号、住所、配送日、注文商品名、決済方法、お届け先住所、お届け希望日、お届希望時間、などを自動で、受注画面への自動入力を実現いたしました。また、本モデルには、お客様との会話を自動要約する仕組みが備わっているほか、必要に応じて会話した全ての内容の振り返り作業も可能となり、重要事項の伝達漏れチェックや各種エビデンスの確認、顧客ライフスタイル探求などにも対応しております。
Hmcomm株式会社 プレスリリース

協和も今月、美容・健康食品分野のチャットボットを導入。将来的に、美容や健康に関する悩みを相談するとアドバイスがもらえるようになるようです。

梱包の無駄をなくす

NTTロジスコのリリースによれば、

最適な梱包箱のサイズを予測するには、全商品の寸法(縦・横・高さ)データを用いて梱包計算を行う方法がありますが、商品の寸法データがない場合並びに新しい商品が出る都度、商品の寸法を測定をする必要があり、その作業に多くの時間を要します。

そこで、NTTロジスコでは、出荷実績データ(注文情報※1と使用した梱包箱のサイズ)をAIに学習させることで、商品の寸法測定を行わずに、出荷指示データの注文情報から最適な梱包箱のサイズを予測するシステムの開発に2018年4月サービス開始を目指して着手しました。
※1 注文情報:注文商品と数量
NTTロジスコ ニュースリリース(2018年3月1日)

とあります。

商品ごとにサイズを登録しなくても、出荷実績から梱包に使用する箱のサイズを予測できれば、梱包の手間もコストも大幅に削減できるはず。大いに期待したいニュースです。

無人宅配による配送

昨年は「ロボネコヤマト」による無人宅配の実証実験も大きな話題になりました。最近では、ロボネコストアでピザーラのピザまで注文できるようになったようです。

クロネコヤマトでは、配送状況の確認や受取日時の変更もチャットボットが活躍しています。ユーザーにとって便利なだけでなく「日時変更したいにゃん」など猫語で話しかけると、ねこ語で返答が来るなど、AIでありながら親しみやすい点も参考にしています。

どこにAIを導入し、どこまで人間が担当するのか

ほかにも、販売実績・店舗のPOSデータ・季節や天気などの気象情報・在庫状況などから正確に需要を予想、自動的に発注することにより、過剰在庫を削減する。価格が変動する商品の販売価格を予想する。花など個体差がある商品の状態を自動判別する。自店舗の情報だけでなく、SNSなど外部情報も利用し、より精度を高める。など、さまざまな場面でAIは導入され、進化し続けています。

近い将来、ユーザー側も「冷蔵庫の中身が減ったら、嗜好や季節を考慮して自動注文」という時代になるかもしれません。AIだけでなく、AR(Augmented Reality:拡張現実)を利用した家具の配置シミュレーションアプリ「IKEAカタログ」、VR(Virtual Reality:仮想現実)を利用した物件の内見サービスなども始まりました。EC業界も、AIやIoTにARやVRを駆使した新しい時代に突入するはずです。

ただし、人間の仕事がなくなるわけではありません。
まずは導入コストの問題があります。また現在の水準では、チャットボットですべての質問に対応することはできません。暴走しないように監視する必要もあるでしょう。

現在ECでは、個人ひとりひとりに応じた「One to One マーケティング」が求められています。しかし人間が仕入れや在庫管理、店舗運営を行いながら、すべてのお客様の嗜好や購入履歴、背景や属性を記憶し接客するには限界があります。どこにAIを導入し、どこを人間が行うべきなのか。その判断が、これからを勝ち抜けるポイントになるかもしれません。

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