「老若男女だれでも購入してくれるショップを目指してます」
コンサルティングを開始するにあたり、ターゲットを尋ねたときの回答「あるある」です。「具体的にどんな顧客像を描いて運営していますか?」と伺っても、30代女性、40代男女、主婦など、ざっくりした回答しか得られないことが多々あります。しかし実は「具体的な顧客像=ペルソナ」を描き、その感情の流れを読むことが、ネットショップにとって非常に重要なカギとなります。
前回のコラムネットショップを成功に導く!カスタマージャーニーマップの作成方法の中でも、「ペルソナ=顧客の人物像を絞る」手順について軽くふれました。そこで今回は「ペルソナとは何か、どうやって設定するのか」紹介していきたいと思います。
目次
ペルソナとは?メリットは?
ネットショップを運営するにあたり、ターゲットを明確にすることは重要です。
- どんな商品を仕入れるのか
- どんなサイトを作るのか
- どんな広告を打つのか
など、ネットショップを運営するさまざまな場面で、ターゲットを想定した判断が必要となります。
例えば「30代女性」であれば、その人は働いているのか、主婦か。都心に住んでいるのか、郊外か。子供がいるのかいないのか。年齢やライフステージ、性別や職業、居住地など、ある程度、プロフィールを明確にすることによって、見込み客を絞って狙うことが可能となり、有効な施策が打てるでしょう。
しかし、ターゲットだけに頼るのは危険です。例えば「30代・女性・既婚・会社員・東京在住」と言われて、あなたはどんな女性を想像しますか?その女性像はひとつでしょうか。他人と同じイメージを抱いていると言えますか?
各担当者の描くイメージ、外注先が抱いたイメージなど、人によって想定が異なったり、都度インスピレーションで判断したりしていると、せっかく設定したターゲット像がぼけたり、イメージが分散してしまい、結局「何を伝えたいのかわからない、適切なターゲット層に届かない」といった問題が生じる可能性があります。
そこで重要となるのが「ペルソナ=顧客の人物像を絞る」ステップです。
ペルソナとは、単なるプロフィールの羅列ではなく、まるで物語の登場人物のように、ストーリーを与えた人物像を描いたもの。例えば先ほどの「30代・女性・既婚・会社員・東京在住」にストーリーを与えてみましょう。
彼女は34歳。2つ年上の旦那様、小学生の息子と一緒に郊外のマンションに暮らしている。専業主婦になりたいけど、家のローンがあるので、近所の会社で事務員として勤めている。趣味はおしゃれな雑貨を買うこと。しかし土日は家事と子供の相手に追われ気味。スマホを触るのは、子供が寝た後。高いものを買うときには、予めパソコンで調べておいて、旦那様に相談。友達や同僚と外食する時は、SNSにアップしたいので見た目や話題性も重視。家で食べるものやお弁当は、安全性や価格重視。旦那様の親がうるさいので、帰省土産には気を遣う。お中元やお歳暮を贈る相手は少ないので、少し高級でもよいもの、外とは違うものを選びたい。いつも、ママ友へのプレゼントや、持ち寄りに頭を痛めている。
いかがですか?かなり具体的な人物像が思い浮かんだのではないでしょうか。
可能な限り、リアルな人物像を描き、その人の立場からショップを見ることによって、
- 運営チーム各担当者の認識が共有しやすく、ショップの方向性を見失いにくい
- 店舗側の勝手な思い込みや希望ではなく、お客様の望む店舗を考えやすい
- 顧客の行動を想像することにより、店舗の抱える課題や優先すべき項目を明確にしやすい
といったメリットを得ることができます。
可能であれば、その人物に名前を与え、顔写真を添え、より具体的にイメージしていくとよいでしょう。
ペルソナの設定方法、注意点!
それでは、どうやってペルソナを設定すればいいのでしょうか。
1. データを集める
既に運営しているネットショップや商品であれば、既存の顧客情報やアクセス・売上など、さまざまなデータからを分析します。今からたちあげる場合は、インタビューやアンケートを利用するとよいでしょう。同僚、家族、友人など、身のまわりの人へのインタビューが非常に有効となる場合も少なくありません。あらゆるツール・人脈を使ってデータを集めましょう。
2. データを分類する
集めたデータを元に、実際の顧客像を導きます。ペルソナはひとつとは限りません。実際のデータから、幾つかのペルソナの種が導き出せるようであれば、複数のペルソナを用意しましょう。
くれぐれも、店舗側の理想像を求めないように注意してください。ペルソナは架空の人物ですが、でっちあげてはいけません。客観的にデータから導き出すように注意しましょう。
3. 人物像をふくらませる
ペルソナごとに、基本となるプロフィール、生活のレベルやリズム、夢や目標、悩みや関心のあること、自分のショップや商品に何を求めているのか、満足感を得るために何が必要なのか、どのような接点があるのか、など、架空の顧客像を膨らませていきましょう。
過去のデータから、「何をしたのか」よりも「何をどのように感じ、考えたのか」を読み取り、それを組み込んでいくことが有効です。
4. ストーリーを与える
ペルソナが描けたら、その人の生活を紡いでみましょう。そしてその中で、自分のショップや商品にどのように接するのか、どうやって選ぶのか、何が決め手になるのか、まるでドラマを見るように、思い描いてみましょう。
ペルソナの設定が終わったら、それを関係者で共有し、この商品・このショップ・このバナー・この広告を、彼(彼女)ならどう思うだろう。どう感じるだろう…という共通の観点から、それぞれが運営を行っていきましょう。イメージがぶれず円滑な運営が可能となり、優良な見込み客を呼び込み、効率のよい顧客化をはかることができるはずです。
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