ネットショップ多店舗展開「運営のシステム化を考える」

ネットショップを複数展開する場合、もしくはネットショップと実店舗を運営する場合、商品登録や在庫管理など、あらゆる業務が店舗の数だけ必要です。最初は手作業による運営で問題ないかもしれません。しかし、店舗の拡張、商品点数の増加、繁忙期、担当者の異動などにより、業務が煩雑化すると、さまざまなトラブルの原因となる可能性があります。

「忙しくなったら」「儲かったら」ではなく、最初から運営業務のシステム化を意識し、どのような機能が必要なのか検討しておくようにしましょう。

業務別にみるシステム化のメリット

商品登録

商品を販売するうえで商品登録は必須です。店舗ごとに取扱商品が異なる場合を除き、取扱い商品が増えるたび、商品の価格や内容が変わるたび、店舗の数だけ、商品情報を正確に追加・修正する作業が必要となります。
ほとんどのショッピングカートシステムやサービスで、CSVによる一括登録・修正機能もありますが、それぞれのルールに則って登録する必要があり、手作業で修正する場合は、どうしても手間がかかりミスも増えてしまいます。
商品のマスターデータを作り、各店舗ごとに適した形式に自動で書き出すことができれば、時間が短縮できるだけでなく、ミスを減らすことができるでしょう。

受注管理

受注から発送までのみを行うのであれば、各ショッピングカートシステムの機能で十分かもしれません。しかし出荷業務では、商品のピッキング数や、熨斗・ギフト対応といった出荷指示が、同じフォーマットで一元管理されているほうが効率的です。配送会社の伝票番号を注文伝票に自動でフィードバックできれば、ミスも減ります。
また、経理処理はもちろん、売上分析を行ううえでも、非常に有効です。

在庫管理

店舗ごとに取扱商品が異なる場合や受注発注の場合、自社生産で在庫切れの心配がないといった場合を除き、運営業務でネックとなるのが、在庫管理です。
注文が入れば在庫の数を減らし、仕入を行えば在庫の数を増やす。ある店舗に売上が集中する商品があれば、店舗ごとに充てる在庫のバランスを都度調整する。
売り越しを防ぐため、各ショップに充てる在庫数に余裕をもてば、販売機会を損失する可能性があり、売り逃さないよう在庫数をギリギリに設定すれば、売り越しが発生する可能性があります。土日や夜間に注文が集中し、在庫切れの謝罪が必要となるかもしれません。
在庫を一元管理し、受注の都度在庫を引き当て、すぐにその情報をオンラインですべての店舗に反映するシステムがあれば(もしくはその一部だけでもシステム化することができれば)売り逃しや売り越しを最小限に抑え、作業にかかる人件費などのコストを抑えることが可能です。
また、一定数を下回った商品をリスティングするなど、あわせて仕入管理を行うこともできます。

顧客管理

サンクスメールやフォローメールの履歴、電話やメールによるサポート履歴の管理、ダイレクトメールの発送などを行ううえで、顧客情報の名寄せや注文履歴によるグルーピングが重要です。ショッピングモールなどでは取得できる情報に規制があったり、場合によってはそのサービス・システム内で作業を行うほうがよいこともありますが、特にサポートを行ううえでは一元管理できることが重要となります。

乗換・多店舗展開に関する次回のコラムは、これらの業務をシステム化する方法についてご紹介する予定です。

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