IT導入補助金2023を活用!ECサイト制作について解説

中小企業や小規模事業者にとって、「ECサイトは構築したいが、コスト面が……」「ECサイトをつくった後、運用できるスタッフの育成も必要だが、どこから手をつけていいのかわからない」等、お悩みもあることでしょう。
現在、IT導入補助金を活用したECサイト制作はもちろんのこと、その後のアフターフォローが充実しているIT導入支援事業者があります。こうした優良業者を見つけて念願の自社のデジタル化を進めてみてはいかがでしょうか?
そこで今回はIT導入補助金を活用したECサイト制作を前提に、補助金申請までの流れや押さえたいポイントをわかりやすくご紹介いたします。

はじめに

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が自社ビジネスのために購入するITサービスやITツールの購入費用を一部補助してくれるという制度です。この制度を活用することで導入費用の最大350万円が国から給付されるため、前向きに検討して損はない補助金だといえます。
ただし、【2023年】ホームページ制作にIT導入補助金は使えるかを解説でも解説している通り、この補助金ではECサイトが主な対象となるため、通常の企業ホームページの制作は対象外となるので注意しましょう。

中小企業・小規模事業者がECサイトをもちたいならIT導入補助金!

日本国内に存在する421万もの企業のうち、大企業はわずか0・3%(約1.2万社)に対し、中小企業の割合は99・7%(約419.8万社)だといわれ、とりわけ小規模事業者は国内全体の9割弱を占めています。
国としても、日本の経済を支える中小企業や小規模事業者のIT導入を推進することで各企業の生産性を高め、売り上げや利益の増加や労働時間の削減などの効果を期待しているようです。

補助金の給付対象となる条件

そのような背景がある中、IT導入補助金の趣旨として「企業の生産性の改善」「売上・利益の増加」「労働時間の削減」が挙げられています。つまり、これらを満たすようなホームページでなければIT導入補助金の申請対象にはなりません。
【2023年】ホームページ制作にIT導入補助金は使えるかを解説でも触れている通り、「会計」「受発注」「決済」「EC」のうちいずれかの機能をもつことが条件の一つとなっています。
新型コロナウイルス感染症をきっかけに全国的に広がった路面店の休業や時間制限の中、ネットショップに活路を見出した事業者も少なくありません。ECサイトを運営しての事業展開を検討しているなら、本補助金の申請を検討してみるのも一つです。

IT導入補助金の事業目的に注目

IT導入補助金を申請する前に、自社の事業内容と補助金の意義や目的が合致しているかどうかを確認する必要があります。この時点で認識に相違がある場合、申請しても手間損になってしまうおそれがあります。

  1. 通常枠(A類型・B類型)
    中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
    自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
  2. セキュリティ対策推進枠
    中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。
  3. デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
    中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。
(引用:IT導入補助金2023

ECサイト制作のパートナーとなる「IT導入支援事業者」とは

IT導入支援事業者とは

「IT導入支援事業者」とは、IT導入補助金向けの事業者として登録された制作会社のことです。中小企業・小規模事業者等の生産性向上のために、ITツールの提案と導入や経営診断ツールを利用した事業計画の策定の支援など、各種申請等の手続きのサポートを行っています。登録されたIT導入支援事業者で、かつ認定を受けたITツールのみがIT導入補助金の補助対象となっています。
そのため、すでに自社内にECサイト制作の技術者がいたとしても、IT導入支援事業者以外がECサイトを制作すると補助金を申請・交付することができなくなります。
また、IT導入支援事業者に登録されていない制作会社に依頼した場合も同様に本補助金を受けることができなくなります。

ECサイト制作で困った時に頼りになるのが「IT導入支援事業者」

IT導入補助金を活用してECサイトを制作する際は、IT導入支援事業者のサポートが必要となります。申請手続きに困ったことがあれば、どんどん相談してみてはいかがでしょうか?
IT導入支援事業者は下記の公式ホームページで検索することができます。

IT導入補助金で「ECサイト制作する時の3つのポイント」とは?

それではECサイト制作で「IT導入補助金」を申請するにあたり、押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。

IT導入補助金でECサイト制作する際のポイント

  1. ECサイト制作で活用するためには事業目的と合う区分を選ぶ
  2. 「中小企業」「小規模事業者」のみ申請できるため、自社が該当するか確認
  3. IT導入補助金は「後払い受け取り」となるため、資金繰りに注意する

それぞれを説明していきます。

【ポイント①】ECサイト制作で活用するためには事業目的と合う区分を選ぶ

2023年度のIT導入補助金は大きく3つの区分があります。それぞれが意義・目的が異なり、自社の事業目的と合う区分かどうかを理解した上で申請する必要があります。

【IT導入補助金の申請区分】

  1. 通常枠(A類型・B類型)
  2. セキュリティ対策推進枠
  3. デジタル化基盤導入類型

この中で、ECサイト制作費用が補助が適用されるのは「デジタル化基盤導入類型」となります。IT導入補助金を活用してECサイト制作を進めたいなら、デジタルカ基盤導入類型枠からECサイト導入費として申請するようにしましょう。

【ポイント②】「中小企業」「小規模事業者」のみ申請できるため、自社が該当するか確認

IT導入補助金の支給対象は、「中小企業」「小規模事業者」のみとなっています。ただし、対象の業種は幅広く設定されているので、自社が該当するかどうかを下記の表を確認の上、申請を進めましょう。

中小企業の定義

業種・組織形態資本金(資本又は出資の総額)従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
医療法人、学校法人300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所100人
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体主たる業種に記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会主たる業種に記載の従業員規模
特定非営利法人主たる業種に記載の従業員規模

※飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象となります。

小規模事業者の定義

業種分類従業員(常勤)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

※資本金・従業員規模の一方が満たされている場合が対象(個人事業を含む)となります。

【ポイント③】IT導入補助金は「後払い受け取り」となるため、資金繰りに注意する

IT導入補助金は、ECサイト制作が完了し事業者への支払いが完了後、国から支給されます。ECサイト制作費用は数百万円単位となることもあるだけに、事前に資金を用意しておく必要があります。資金繰りに困らないように注意しましょう。

IT導入補助金を活用したECサイト制作の手順

IT導入補助金2023を活用してECサイトを制作する際は、申請に必要な書類等の準備などやるべきことがあります。スムーズに進めるためにも、下記の申請・交付までの手順を確認しておきましょう。全体的な流れを把握しておくことで、計画的にECサイトの制作を進めることができます。

IT導入補助金2023でECサイト制作するための手順
  1. IT導入補助金2023の申請対象者かを確認する。
  2. IT導入補助金2023の申請要件をすべて満たしているかを確認する。
  3. 申請する公募回を決める。(※複数回あり)
  4. ECサイト構築にあたって導入したい機能を選定する。
  5. 希望のECサイトを構築できるIT導入支援事業者を選定する。
    (※4と5は同時平行で進めることもできます。)
  6. 「gBizIDプライム」のアカウントを申請・取得する。
  7. 選定したIT導入支援事業者から、申請マイページにアクセス可能なリンクを渡してもらい電子申請する。(IT導入支援事業者との共同作業となります。)
  8. 交付決定(採択)されたら制作会社と正式契約し、ECサイト構築を依頼する。
  9. 事業実績報告を提出する。
  10. IT導入補助金が事務局より振り込まれる。
  11. 事業実施効果報告を提出する。

gBizIDプライムとは?

「gBizID(GビズID)プライム」とは、認証システムの一つである「GビズID」のアカウントのことです。取得は無料で行うことができます。近年さまざまな電子申請等で「GビズIDプライム」を利用する場面が増え、IT導入補助金の申請を含め下記の行政サービスで使われています。IT導入補助金でも必要ですので、早めに取得しておきましょう。

  1. jGrants(2.0):経済産業省
  2. Gビズフォーム:経済産業省
  3. DX推進ポータル:経済産業省
  4. IT導入補助金2020:経済産業省
  5. ミラサポplus:中小企業庁
  6. 令和元年度補正事業承継補助金:中小企業庁
  7. 認定経営革新等支援機関電子申請システム:中小企業庁
  8. 事業継続力強化計画電子申請システム:中小企業庁
  9. e-Gov:総務省
  10. 社会保険手続きの電子申請:日本年金機構

「gBizIDプライム」アカウントの取得方法

電子申請に欠かせないのが「gBizIDプライム」アカウントです。申請に必要なものは、「スマートフォン、または携帯電話」「印鑑(登録)証明書(※発行日から3ヶ月以内の原本に限る)」「登録印」の3つです。

申請の流れ

「gBizIDプライム」の申請サイトに進んで項目を入力します。注意したいのが、法人の場合は入力した項目が印鑑証明書の記載と違っていると書類不備と見なされ審査に通らなくなります。入力内容をよく確認しましょう。
また。申請から取得まで1~2週間ほどかかるため、IT導入補助金の申請スケジュールが滞らないよう早めの取得を心がけましょう。

申請先

https://gbiz-id.go.jp/top/
(引用:経済産業省)

IT導入補助金は審査に落ちても再申請できる

ECサイト制作をご検討中であれば早めに補助金申請をおこない、審査に通過して余裕をもった制作スケジュール確保しておきたいものです。
しかし、残念ながらIT導入補助金の審査に通過しないケースがあります。ECサイトの制作費用として予定していたにも関わらず審査に落ちてしまったとしても、再度申請することは可能です。審査に落ちる原因の多くが「申請内容の間違い」のため、申請内容を確認してみましょう。
各締切り回で公表される採択結果にて不採択となった場合や、交付決定後に申請の取下げを行った場合でも、次回以降の締切りまでに再申請は可能です。

そのほか、ECサイト制作にあたって「これは適用されるのか?」という項目を集めました。補助金の申請前のさまざまな疑問解消のために参考にしてください。

【質問①】ホームページ制作は補助対象ですか?
ホームページ制作は補助対象外となります。 ECサイトはスクラッチ開発のため、通常枠(A・B類型)においては補助対象外となりますが、令和5年(2023年)10月1日より施行される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制 度)に対応する取り組みを支援する目的でデジタル化基盤導入類型においては補助対象となります。
【質問②】運用中のECサイトをリニューアルする場合は、補助対象になりますか?
デジタル化導入基盤類型においてECサイトは新規作成のみ補助対象となります。 既存ECサイトのリニューアルは補助対象とはなりません。既存のホームページをリニューアルすることで新たにEC機能を実装する場合、新規で導入された部分のみが対象となります。
【質問③】ECサイトに組み込むCMS利用料やカート機能の利用料は2年分対象になりますか?
CMSやカートがサブスクリプション形式の販売に限り、最大2年分が対象となります。
【質問④】過去のIT導入補助金にて補助金を交付されました。 IT導入補助金2023にて申請可能ですか?
要件を満たすのであれば申請可能です。 ただし、IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型及び複数社連携IT導入類型)で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12ヶ月以内に同一事業であるIT導 入補助金2023のデジタル化基盤導入枠での申請は行えません。また、過去の申請類型によっては、減点措置等が講じられる場合がありますので詳しくは、公募要領をご確認ください。

(参考:「IT導入補助金2023デジタル化基盤導入類型 よくある質問」

まとめ

今回はECサイト制作を前提としたIT導入補助金の申請までの流れと、押さえておきたいポイントなどをご紹介しました。
本補助金を活用するためには、複雑な条件を理解した上で正しく申請することが大切です。余裕をもったスケジュールを組み、IT導入補助金を有効活用しましょう。
IT導入補助金を使ったECサイト制作を検討中の方は、ウェブモ株式会社に相談ください。私たちはIT導入支援事業者として、お客様に最適なサポートを提供します。お気軽にお問い合わせください。

ECサイト構築についてわからないとお悩みの方へ

お聞きした情報をもとに、御社のお困りごとを解決する最善策をご提案いたします。ご相談は無料です。
WEBサイト制作やリニューアル、制作後のサポートなど、気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせは、こちらから

「無料相談会」開催中
こんなお悩みをお持ちの⽅
  • ホームページ制作について検討中
  • 運営中のサイトをリニューアルしたい
  • ECサイトを⽴ち上げたい
  • 新しいサービスを⽴ち上げたいが、何からはじめればよいかわからない
toTop