【2023年】ホームページ制作にIT導入補助金は使えるかを解説

「会社のホームページをIT導入補助金で作れる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?現在さまざまな助成金や補助金がある中で、もし可能であれば使ってみたいとお考えでしたら、まずは最新版の「IT導入補助金」について把握することから始めてみませんか?
そこで今回は、ホームページ制作にIT導入補助金が使えるかを解説します。さらに2023年度版IT導入補助金の概要や申請スケジュールなどもご紹介いたしますので、本記事を読めば一気に疑問も解決できるでしょう。
尚、本年度のIT導入補助金はすでに交付申請受付も始まっているため(2023年6月時点)、具体的に検討を進める際の材料にしていただければ幸いです。

はじめに

まずは「IT導入補助金」とは何かについて把握していきたいと思います。

IT導入補助金

「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者に対してそれぞれの生産性向上や業務の効率化、また収益向上といった経営課題に対応可能なITツールの導入経費を一部補助する制度のことです。
経済産業省の外局である中小企業庁によって実施された本補助金は平成28年に開始され、今年(令和5年)で7年目となります。補助額や補助対象には毎年変更があるので、最新の情報を得るためにも詳細を十分確認する必要があります。

【IT導入補助金2023 概要】

項目概要
管轄独立行政法人 中小企業基盤整備機構
目的中小企業や小規模事業者等がインボイス対策や新型コロナ感染症に向き合う中で、より生産性の向上や業務の効率化をはかるためにITツールを導入した際の経費を一部補助。
対象事業者中小企業者(小規模事業者、個人事業主含む)、NPO法人、医療法人 等
申請要件
  1. 事業者の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上である。
  2. 「GビズIDプライムアカウント」を取得している。
  3. 「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」、または「★★ 二つ星」のいずれかの宣言を行っている。
申請枠
  1. 通常枠(A・B類型)
  2. セキュリティ対策推進枠
  3. デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型・商流一括インボイス対応類型)
補助対象経費
  • ソフトウェア
  • 機能拡張
  • データ連携ツール
  • セキュリティ
  • 導入工コンサルティング
  • 導入設定・マニュアル作成・導入研修
  • 保守サポート
  • PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器
  • POSレジ
  • モバイルPOSレジ
  • 券売機
  • サイバーセキュリティお助け隊サービス
補助金額150万円~450万円
(※申請枠や従業員数によっても補助金額が異なります。上記は申請枠ごとの最大値の額を記載しています。)
補助率1/2、または3/3、または3/4
(※申請枠や従業員数によっても補助金額が異なります。)

なぜ交付しているのか?

近年、日本の多くを占める中小企業経営者にとって「働き方改革」「被用者保険の適用拡大」「賃上げ」など、諸制度の変更に直面する機会が増えています。さらに2023年からは「インボイス制度」も控えることから、国はこれらに対応するべくITツールの導入によってデジタル化を推進しようとしています。中小企業や小規模事業者にとっては、うまく補助金を活用することで自社の生産性向上を図ることができるまたとない機会となるでしょう。

IT導入補助金はホームページ制作で適用される?されない?

IT導入補助金を活用するにあたって知っておきたいのが、ホームページ制作時に適用されるかどうかです。2023年度のIT導入補助金では、売上や業務改善にダイレクトに役立つ仕組みを備えていないとITツールとしては認められないようです。
つまり「条件付きで可能」ということになります。具体的には、「会計」「受発注」「決済」「EC」のうちいずれかの機能をもつことが条件となります。

たとえば、ホームページ制作として活用する事例のひとつにEC機能を盛り込むことが挙げられます。アフターコロナでネットビジネスに事業転換を検討している中小企業や小規模事業者にとってはECサイトの制作が補助金でできるというのは朗報といえるでしょう。
また、パソコンやタブレットといったハードウェアの購入費用にもIT導入補助金を充てることができるので、これを期に社内の機器を買いそろえるのも良さそうです。

機能をもったサイトとは?

通常の企業ホームページは、主に会社概要、製品やサービスの紹介、沿革、プレスリリースなどといった情報がまとめられていることが多いものです。
一方、「会計」「受発注」「決済」「EC」などの機能をもったサイトとはどのようなものかというと、たとえばインターネット上で自社商品を販売する「通販サイト」や、ネット予約や顧客管理ができる「店舗サイト」「サロンサイト」など、モノ・コトなどのサービス決済や顧客管理などの機能を備え、かつ売上の向上が見込めるサイトを指します。
2020年までのIT導入補助金までは単純なホームページ制作も補助金が認められていたようですが、現在は適用できなくなっています。自社アピールを目的とするホームページ制作を検討中の場合は留意してください。
(※通常の企業ホームページ制作で使える補助金としては、「小規模事業者持続化補助金」などがあります。)

既存のホームページに機能を追加も可能

IT導入補助金では、新規でEC機能のあるホームページを構築する以外に、すでにある自社ホームページに「会計」「受発注」「決済」「EC」などの新たな機能を追加されたホームページでも補助対象となります。(※この場合、追加されたITツールにかかる費用分が対象となります。)

IT導入補助金でホームページを制作するメリット

IT導入補助金を使ってホームページを作成するメリットはいくつかあります。

【メリット】

  1. 導入コストを抑えることができる。
  2. 効率的な営業につながるホームページを制作できる。
  3. ECサイトを制作することで販路拡大が見込める。

それぞれをもう少し詳しくみていきたいと思います。

導入コストを抑えることができる

ホームページを制作する場合、自社で可能な人材がいない限り、外注するのが一般的です。ホームページの仕様にもよりますが、最低100万円はかかるとみておくことになります。
中小企業や小規模事業者にとっては大きなコストとなるため、IT導入補助金がおりれば大幅に費用を抑えることができるようになります。

効率的な営業につながるホームページを制作できる

これまで実店舗や展示会のみで販売するなど、従来の営業手法で集客を行ってきたビジネス形態を、ホームページをもつことでより効率的な営業につなげるようになります。ホームページによってまずは見込み客に自社を発見してもらい、自社ホームページ内を周遊させながら顧客へと転換、さらに販売・契約までつながる流れをうまく構築することで売り上げアップを実現することができるようになります。

ECサイトを制作することで販路拡大が見込める

既存の自社ホームページをECサイトにすることで、これまでにないルートの販路拡大が実現できるようになります。しかし、そのための費用が高額なのが中小企業や小規模事業者にとってはネックでした。そこでIT導入補助金を活用すれば、「自社製品をより世界に向けて発信したい」といった場合に販路拡大を実現させることができます。

IT導入補助金を活用したホームページ制作事例

実際にIT導入補助金を使ってホームページ制作を行った事業者のケースを知りたいと思う経営者も多いと思います。ここでは、2022年までにIT導入補助金を活用してホームページを作成した事業者の事例をご紹介します。

(ケース①)実店舗のみの業態からECサイトとの併用することで売り上げアップ

元々A社は、店舗で焼き菓子を製作・販売する店舗型サービスを長年続けてきました。ところが2020年に発生した新型コロナウイルス感染症をきっかけに実店舗の販売額が激減。商店街全体から客足が遠のき、苦境に立たされました。
そんな中「IT導入補助金」の存在を知り、「地域のお客様のみで営業を継続していくのは困難。販路をもっと広げたい」と決意。焼き菓子のECサイトを構築することにしました。これまでは店舗のホームページすらもっていなかったA社は、これを機会にEC機能をもつ自社ホームページの作成を業者に依頼し、顧客を地域のお客様から全国に広げることで1年後には売上をコロナ前基準まで回復、2年後には最高益を記録することに成功しました。

(ケース②)クチコミ集客で少しずつ育てた顧客をより効率よく予約管理で効率化

エステサロンを経営するB社は個人事業主としてこれまでSNS集客に力を入れてきました。努力の甲斐あって徐々にクチコミで顧客が増え、サロンも盛況となる中、オーナー個人で予約を管理する業務が負担に感じられるように。そこで、IT導入補助金で自社ホームページに予約管理機能を追加することにしました。予約管理機能を導入することで、急なキャンセル枠もホームページ上で確認できるようになり、空き枠のムダも減少し、売上も徐々に上がるように。ホームページの使い勝手も向上し、予約管理も楽になったことで、業務の効率化をはかることに成功しました。

(ケース③)大手ECモールに単独出店以外の独自販路を模索するためのECサイト

小売業C社は、ここ数年大手ECモールに出店してきました。小売業にとっては「売る場所」となるECモールの存在は不可欠。すでに有名な楽天市場やアマゾンのほか、ヤフーショッピング、ZOZOタウン、auペイマーケットなど、国内にはさまざまなECモールが存在し、C社もいろいろと試してきました。
ところが実際に出店する際に調べてわかったのが、各社によっても出店手数料もちがうほか、売上やセグメントに応じて手数料が発生したり、契約する料金プランによって露出レベルが変わること。これは小規模事業者であるC社にとっては頭が痛い問題でした。
そこでC社は思い切って自社サイトを運営することに。EC機能を備えたホームページをIT導入補助金で制作できることを知り、さっそく行動に移しました。大手ECモールではページのサイズやレイアウトなどにも制限がありましたが、自社のホームページであれば自由度もあり、何より手数料などが一切かからないことが一番の決め手に。
自社ECサイトを立ち上げる際、補助金で費用のほとんどを賄うことができ、販路の拡大にも成功しました。

IT導入補助金・申請スケジュール

2023年度のIT導入補助金の申請はすでに開始されています。(2023年6月時点)
前向きに申請を検討しているなら、早めに申請のための準備をして進めていきましょう。ここではホームページ制作に関連のある通常枠とデジタル化基盤導入枠の申請スケジュールをご紹介していきます。

【申請スケジュール】

IT導入支援事業者の登録申請登録申請2023年3月20日(月)受付開始~終了時期は後日案内予定
採択決定通知をもってお知らせいたします。
ITツール(ソフトウエア、サービス等)の登録申請募集期間2023年3月20日(月)受付開始~終了時期は後日案内予定
交付申請期間募集期間2023年3月28日(火)受付開始~終了時期は後日案内予定
※デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は2023年6月20日(火)より申請開始予定
通常枠
1次締切分締切日2023年4月25日(火)17:00
交付決定日2023年5月31日(水)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
2次締切分締切日2023年6月2日(金)17:00
交付決定日2023年7月11日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
3次締切分  締切日2023年7月10日(月)17:00
交付決定日2023年8月22日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
4次締切分締切日2023年7月31日(月)17:00
交付決定日2023年9月12日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
1次締切分締切日2023年4月25日(火)17:00
交付決定日2023年5月31日(水)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
2次締切分締切日2023年5月16日(火)17:00
交付決定日2023年6月21日(水)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
3次締切分締切日2023年6月2日(金)17:00
交付決定日2023年7月11日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
4次締切分  締切日2023年6月20日(火)17:00
交付決定日2023年8月1日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
5次締切分  締切日2023年7月10日(月)17:00
交付決定日2023年8月22日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00
6次締切分  締切日2023年7月31日(月)17:00
交付決定日2023年9月12日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限2023年11月30日(木)17:00

まとめ

今回はIT導入補助金がホームページ制作にも使えるかどうか、また申請の概要やスケジュールなどをご紹介いたしました。
情報は変更することもあるほか、申請の締め切りなども随時チェックするようにしてください。2023年はぜひIT導入補助金を活用しながらビジネスを成長させてください。
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