中小企業や小規模事業者にとって、ホームページをもつということは大きな意味があります。しかし、中には「ホームページの重要性がよくわからない」「作ったことは作ったが、問い合わせもあまり増えず放置している」という声もよく聞かれます。これはホームページを制作する段階で、開設する目的が明確でないために起こると考えられます。
そこで今回は、これから自社の公式ホームページの開設をしようと検討中の担当者向けに、なぜホームページが必要なのか、その必要性を解説いたします。 さらに、ホームページの効果的な構成パターンと構成を検討する際のポイントもご紹介していきますので最後までお読みください。
目次
はじめに
総務省の「平成29年通信利用動向調査報告書(企業編)」によると、国内の企業におけるホームページ開設状況は89.6%とほぼ9割ということがわかっています。
その中でも企業が自社ホームページを開設する主な理由として、多い順に「会社案内、人材募集」「商品や催物の紹介、宣伝」「定期的な情報提供」「電子公告、決算公告」「」となっています。消費者の評価・意見の収集」となっています。
(参考引用:総務省 平成29年通信利用動向調査)
ホームページを作ることで、より多くの顧客に自社のことを知ってもらう、またとない機会となることは間違いありません。逆をいえば、周囲の同業者の多くがホームページを開設している中、自社だけが開設していないとなると、認知度の点で他社との顧客獲得競争にも遅れをとることになります。 もちろん中小企業がホームページを必ずしも作らなくてはならないといった定めはありませんが、ビジネスを行う以上、その必要性は無視できないというのが現状です。
企業がホームページを開設する必要性
「自社のことを知ってもらう」「顧客獲得競争」以外にも、ホームページの必要性はあるのでしょうか?その答えは「YES」。キーワードとなるのは、以下の3つです。
- 信用力
- 認知度
- 差別化
ここからは上記3つのキーワードに絡めて、企業におけるホームページの役割をご紹介いたします。
「情報検索の窓口」としての役割
今や、多くの人が何かを購入しようと思ったり、利用してみたいと思ったりした時、初めに行うのがパソコンやスマートフォンでの「情報検索」です。
モノ・コト・サービスの詳細を知るために、ホームーページ探しからスタートすることが多い中、もしホームページが存在していないとしたらどうでしょうか?
ほとんどの場合、ホームページが開設されていないモノ・コト・サービスでは「本当に会社があるのだろうか」「詐欺かもしれない」等、事業の存在自体を疑われてしまうおそれがあります。
また、ホームページはあったとしても更新頻度が少なく、中には古い情報のままで放置されているケースもあります。こうした場合もせっかくの見込み客離れを起こす原因となってしまいます。 このように、中小企業にとってホームページは自社に興味関心をもってもらうための「はじめの窓口」としての役割を担うとともに、存在そのものが信用力につながっています。
会社の「看板」としての機能
大企業のような「名前を聞いただけでどんな業種かすぐにわかる」というネームバリューをもたない中小企業にとって、ホームページをもつことは「会社がたしかに存在しています」という証を示すことになります。
そこで、多くの企業ホームページには「会社概要」「事業内容」「代表者」「所在地」「取引先」「取引銀行」などが明確に示されています。 また上記の内容以外にも、その会社の雰囲気を伝える情報として「社風」や「コーポレートカラー」「CSR」なども公開することで、社外に対しての自社の信頼感を与えることができます。このように、中小企業にとってホームページは自社の存在を公に知らせるための「看板」として機能があり、認知度を上げるツールにもなっています。
他社との差別化
多くのモノ・コト・サービスには、競合他社が存在しています。自社が他社よりも優れている点や製品の特長などの情報のほか、開発秘話などをホームページで発信することで、他社との差別化を図ることができます。顧客を獲得するために必要な情報を積極的に公開することで、他社との差を顧客に評価してもらいやすくなります。
株主・投資家・顧客などへ周知
中小企業がもつホームページは、自社の存在を証明する以外にも、社外の株主や投資家、既存顧客(いわゆる「ステークホルダー」)に対し、自社の情報提供をする場の役割を担っています。また投資に必要な判断をするための情報として、株主や投資家が自社の財務状況やIR情報などの情報を閲覧できるようにしている中小企業もあります。 そのほか、企業が公式に出す情報の発信先として、各方面とのコミュニケーションを実現させるとともに信頼関係を築くための基盤にもなっています。
「広報」としての機能
中小企業がホームページを運用することで、株主、投資家、既存顧客、見込み顧客に対して自社の企業イメージを発信し、ブランドイメージを構築することができます。
通常、自社の応報担当が取引先向けに直接説明する際、時間・場所などの制限がある一方、ホームページにはそのような制限はないため、自社に興味関心を抱いてくれた人々に幅広く情報を発信し続けることが可能です。 このように、植え付けたい企業イメージや広く知らしめたい情報などを戦略的に発信し、認知度を上げるためのツールとしてもホームページは有効です。
営業ツールとしての機能
中小企業がホームページを開設することで、問い合わせや資料請求などがスムーズに行えるようになります。現在は一般的なメールフォーム以外にも、問い合わせ用のチャット機能があります。チャットでは個別の相談もできるので、顧客のニーズに沿う形で誘導でき、新規受注にもつながりやすくなります。 このように、企業ホームページの問い合わせを営業ツールの一つとして機能させることで販路を拡大する手法を取り入れることができます。
人材募集の窓口としての機能
あらゆる業界・業種で人手不足が叫ばれる中、多くの中小企業にとって優秀な人材確保は重要な経営課題となり、企業間の競争も激しくなっています。
そこで、企業がホームページで人材採用に関する情報を公開することで、就職活動中や転職活動中の人への認知度を上がるとともに、応募窓口にもなります。
より多くの候補者を集めることができれば、将来的に自社の生産力の向上も見込まれることから、昨今ではホームページ内の「採用ページ」に労働時間、待遇、職場環境、福利厚生、教育制度など求職者が魅力的な条件を提示してアピールする中小企業も増えています。
効果的なホームページの構成
中小企業がホームページを開設する必要性をお伝えしたところで、ここからはホームページを制作する際に参考にしてほしい「ホームページの構成」をご紹介いたします。
企業用のホームページは個人のものとは違って、顧客視点での構成がもっとも重要となります。構成には基本的なパターンがあるので、以下ご紹介するものをベースに、そのほか自社にとって必要・不要となるカテゴリの追加や削除を行うことで、よりオリジナリティのあるホームページにしていくのが理想とされています。
一般的な企業のホームページ(=コーポレートサイト)の場合
一番多いパターンがこの構成で、ほとんどの企業で採用できる項目が含まれています。
- 会社概要
- 代表メッセージ
- ビジョン、ミッション、理念
- お知らせ、ニュース
- サービスや商品、事業の説明
- お問い合わせフォーム
- プライバシーポリシー、個人情報取扱いに関するページ
さらに追加することで他社と差別化できる項目
上記の構成はあくまでも基本になります。そのため、他社のホームページとさほど差別化をはかることはできません。そこで「もっと競合他社と違うホームページにしたい」という時や、より自社の個性をホームページで打ち出したい時は、下記の項目をプラスして自社のカラーや独自性を打ち出すのもおすすめです。
ポイントは、「ホームページの訪問者に有益な情報を提供する」「自社に興味関心をそそられる内容を発信する」の2つです。
差別化できる項目例
- 会社の沿革や歴史
会社概要の記載内容以外に、会社を立ち上げる経緯や現在の事業になった過程、これから会社として目指す方向性などを伝えることで他社との違いをアピールするとともに、顧客の共感を得る。 - 自社のセールスポイント
自社で扱っているモノ・コト・サービスの紹介ページでは伝えきれないセールスポイントや開発秘話、採用している技術テクノロジーなどを紹介することで、顧客に信頼感を与える。 - 採用情報
会社の採用情報や募集要項、採用ポリシーを掲載します。求人募集の情報や応募手順を明確に伝え、興味を持った人々がスムーズに応募できるようにします。また、社員の声や福利厚生制度の紹介なども行い、魅力的な職場環境を伝える。 - 実績(過去実績、取引先など)
実際のお客様の声や成功事例を掲載します。お客様の体験談や満足度の高い事例を共有することで、お客様に信頼性を与える。 - 自社の強みを具体的に説明
同業他社がある中でなぜ自社が選ばれているかについて、具体的な理由や数字(グラフなど)で示すことで顧客に納得感を与える。 - 社員の声の紹介
社員の姿やコメントを掲載することで、社内の雰囲気を伝えるとともに親近感を与える。 - よくある質問
事前に質問と回答を用意しておくことで、訪問者の疑問を解消し、スムーズな情報提供を行う。 - ブログ
社員が自社の商品や技術、サービスに関連する情報や社内情報など、さまざまなコンテンツをコラム形式で発信することで、顧客が探している情報を提供する。
多くの中小企業が自社ホームページの効果をいかに最大化できるか、常に模索しながら更新しています。基本の構成を骨組みに、さまざまな要素を検討しながら他社との差別化に取り組んでいきましょう。
ホームページの構成を作る際のポイントと注意点
最後に、中小企業が自社ホームページを制作するにあたり、顧客目線で評価されるためのポイントをご紹介いたします。
ホームページ開設の要となる「目的」から構成を組み立てる
企業にとって、最優先にするべきことは制作するホームページの目的を明確にすることです。ホームページを制作する段階であれこれと追加したくなることもあります。しかし、あらゆるものを盛り込むのは必ずしも良い結果にはなりません。目的をはっきりと打ち出すことで、ホームページに掲載すべき情報と省くべき情報の判断がしやすくなるとともに、目的に沿った構成・ページ構成を心がけましょう。
顧客が見やすい構成にする
ホームページを訪問した顧客が探している情報を適切かつスムーズな導線で辿り着けるような構成にすることも、ホームページ制作では重要なポイントとなります。
そこで構成を検討する段階で、情報のカテゴリが正しいか、このカテゴリで顧客がスムーズに情報を見つけられるかを確認する必要があります。内容によっては、テキストだけでなく写真や動画などの視覚効果で訴えた方がより伝わりやすいものもあります。
ホームページの階層を深くしすぎない
ホームページの構成を検討する際、トップページ(最初の画面)から何回のクリックで必要な情報に辿り着けるかも、顧客目線では非常に重要なポイントです。あまりに深い階層にし過ぎることで、顧客がホームページ内で迷子になり途中離脱が起こる可能性が高くなってしまいます。
そのため、もっとも重要となる情報へは3~4階層で到達できるように構築するのがおすすめです。
一方、ホームページの構成上どうしても階層が深くなってしまうようであれば、カテゴリを増やして対応するのも一つです。
各ページの優先順位を定める
自社の魅力や強みを顧客に伝えるために、伝えたい情報の優先順位を明確にする必要があります。ホームページのサイトマップ(サイト全体のページ構成を地図のように一覧で記載しているページのこと)を確認しながら、顧客目線で導線を検討し、顧客が最終目的のページまで辿り着くためにどのページを通るのが最短かつ最適かを決めていきます。
まとめ
今回は中小企業や小規模事業者がホームページを制作する必要性について解説しました。ホームページは顧客とのファーストコンタクトの機会にもなり、またそれだけでなく株主や投資家への情報提供、および人材を獲得するための情報提供の場にもなります。自社にとって重要な「窓口」となるホームページになるだけに、制作やリニューアルはしっかりと取り組んでほしいと思います。
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