いまや多くの企業が導入しているSNS。無料で簡単に導入できる一方、効果を出し続けていくのは容易ではありません。「どうやって運用すればよいのか?」「がんばっているのに効果が出ない」と悩む運用担当者も多いようです。
企業SNSは、事前の準備がなにより重要です。今回は、企業がSNS運用を成功させる8つのポイントを紹介します。
目次
SNS運用を成功させるポイント
企業がSNS運用を成功させるには、最初の準備が大切です。できれば導入前に、下記の項目を決めておきましょう。(決めずに運用している場合は、今すぐ検討しましょう。)
- 運用目的
- ターゲット
- プラットフォーム(どのSNSを使うか)
- 目標値
- 集客手段
- 投稿方針
- 運用担当者
- 緊急時の対応
1.運用目的を決める
企業がSNSを運用する目的には、主に次のようなものが挙げられます。
- 自社ホームページや店舗への集客
- 商品・サービスの知名度向上
- 潜在顧客へのアプローチ
例えば目的が「商品やサービスの知名度向上」であれば、拡散性の高いプラットフォームがおすすめです。一方、目的が「潜在顧客へのアプローチ」なら、自社商品の良さを表現しやすく、さらにターゲット層が多いプラットフォームが優先されます。
最初に目的を明確にし、優先順位をつけておきましょう。
2.ターゲットを決める
企業SNSの場合も通常のマーケティングと同じように、ターゲット(ペルソナ)を決める必要があります。例えば、同じキッチン用品であっても「オシャレでユニークなキッチングッズ」と「時短できる便利なキッチン家電」では、ターゲットとなる年代や職業、生活スタイルは変わるはずです。
ターゲットを明確にすることにより、次のようなメリットが得られます。
- 適切なプラットフォームを選択できる
- コンテンツが作りやすくなる
- 複数人による運用・運用者の交代に対応できる
適切なターゲットを設定し、ターゲットが楽しめるコンテンツ・ターゲットの役に立つコンテンツなどを発信することができれば、企業SNSの効果を得やすくなるでしょう。
3.プラットフォームを選ぶ
「どのSNSを選ぶのか」は重要なポイントです。運用目的とターゲットにあったプラットフォームを選びましょう。なかには、非常に多くのプラットフォームで運用している会社もあります。しかし、数が増えれば運用負担も重くなります。慣れないうちは、目的や方針を見失うこともあるでしょう。最初はプラットフォームを1つに絞り、運用することをおすすめします。
主要SNSの利用状況
総務省が2020年9月に発表したデータによると、日本国内では、LINE・Twitter・Instagram・Facebookが高い利用率を維持しています。まだ全体の利用率は低いものの、急成長しているTikTokの10代利用率も見逃せません。もちろん、動画共有系のYouTubeも人気があります。
出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(PDF)」
一方、世界全体のSNS利用者数推移をみると、他のSNSのほうがTwitterより利用者が多く、勢いもよいことが分かります。海外顧客をターゲットに含める場合は、SNSの利用状況が異なることに注意しましょう。
出典:Statista and TNW
各SNSの特徴
特徴 | |
LINE |
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TikTok |
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YouTube |
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4.目標値を決める
目標値(ゴール)と、そこまでの段階的な目標を設定すると、運用の方向性が明確になります。例えば、次のような評価指標が考えられます。
- フォロワー数
- SNSから自社サイトへの流入数
- エンゲージメント数(詳細クリック数や、「いいね」などユーザーが投稿に反応した回数)
- インプレッション数(ツイートを見た人の数)
例えばフォロワー数が1万人を越えると、ちょっとした雑誌の読者数レベルです。達成は難しいですが、目標設定の目安にしてください。
5.集客手段を決める
プラットフォームを選ぶ際、同時に集客手段も検討し、スムーズなフォロワー増加につなげましょう。
他の媒体を併用し、アカウント登録を促す
LINEを運用している店舗がよく利用する方法です。自社のホームページやDM、カタログなど、すでに活用している媒体と併用し、顧客に直接アピールします。クーポンや割引券を用意すれば、より効果的です。
オーガニック検索での集客
サーチエンジンやSNSの検索結果から集客を狙う方法です。人気のハッシュタグをつけるなどテクニックが必要ですが、無料でできる集客方法です。
広告からの集客
広告を使って集客を狙う方法です。SNS上で広告を出す場合、基本的に、表示回数やインプレッション毎に広告料がかかります。毎月広告にかける上限額を設定しておくとよいでしょう。
6.投稿方針を決める
事前に投稿方針を決めることにより、アカウントのキャラクターがぶれることなく、運用し続けることができます。また複数人による運用もしやすくなります。
投稿回数・時間帯
SNS運用では、投稿頻度よりも発信する内容が大切です。頻繁に投稿し過ぎると、煩わしく感じて、フォローを解除されてしまうかもしれません。運用にかけられるリソースから、無理のない範囲で、投稿頻度を設定しておくとよいでしょう。
また、Twitterのように新規投稿がどんどん流れてしまうプラットフォームの場合、投稿する時間帯を考慮することも重要です。分析ツールを使い、反応率のよい時間帯を調べましょう。予約投稿機能も併用し、効率のよい時間帯を模索していきましょう。
トンマナ・キャラクター設定
トーンとマナー、いわゆるトンマナも最初に決めておきます。
- 語尾(ですます調・だである調など)
- 表記(ひらがな・カタカナ・記号の使い方、英数字の半角・全角など)
- 絵文字の使用・不使用
- コメントに返信するか否か
- 他のアカウントをフォローするルール
このような項目をしっかり社内で共有しておくと、複数で運用しても統一感が得られます。
また、ターゲット層が共感しやすいキャラクターを設定して投稿するのもひとつの方法です。例えば「日清チキンラーメン」の場合、オリジナルキャラクターである「ひよこちゃん」を使ってSNSを運用しています。
https://twitter.com/nissin_hiyoko
https://www.facebook.com/nissinchickenramen
https://www.instagram.com/chickenramen_hiyoko/
ガイドラインを決める
各SNSには投稿ルールがあるものの、それだけでは不十分です。自社独自のガイドラインを作っておくと、トラブルの予防になるだけでなく、いざというときにも冷静に対処できます。
- 投稿前のチェック方法
- 禁止もしくは避けたい話題やキーワードの設定
- 写真や画像の投稿ルール
- コメント欄から届いたクレームへの対応方法
- 炎上など、トラブル発生時の対応
7.担当者を決める
主に投稿を作成する担当者と、内容を確認し、運用評価をする管理者を決めます。すべて1人で担当すると、次のようなリスクがあります。
- 属人化する恐れがある
- アカウントを私物化し、暴走した例がある
- 担当者の負担が大きくなりすぎる
複数人で運用したほうがトラブル防止につながります。
8.緊急時の対応を決める
自然災害など、緊急時における対応について事前に決めておきましょう。自社に直接影響がなくても、配慮が必要となる場合があります。
基本的には、災害などに役立つ情報があるなら発信し、そうでなければ投稿を自粛することが多いようです。ただしその情報が本当に正しく有益か、しっかり判断することも重要です。緊急時の対応については事前に決めておきましょう。
まとめ
今回は、企業SNSを成功させるポイントを紹介しました。SNSには運用次第で、商品やブランド・企業イメージなどを向上させる大きな力があります。しかし何も考えずに運用すれば、結果を得られないばかりか、炎上などのリスクもあります。
運用を開始する前に、もしくはなるべく早めに、しっかり準備を行い、潜在顧客へのアプローチや、商品・サービスの認知拡大などにつなげましょう。
もし「決めることが多くて面倒だ」「どのプラットフォームを選べばよいのかわからない」とお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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