<越境EC Magento2入門>基本機能とメリット・デメリットを解説

越境ECのご相談も多く「Magento(マジェント)」を利用したECサイト構築も行っています。
そこで今回は「Magentoとは何か」についてご紹介します。
※2系をベースとして記述します。
第1回 図解で簡単!インストール方法を紹介

「越境EC」とは、グローバルECやクロスボーダーECとほぼ同義で、海外消費者を対象に商品を販売するためのオンラインショップのこと。本来、国内消費者に販売するネットショップとは別に、外国人が購入しやすいECを構築することを指します。ここ数年、インバウンド対策とともに注目を集め、市場も急成長しています。

越境ECを実現するためには、一般的に5つの選択肢が考えられます。

  • 海外消費者向けの通販代行(代理購入・海外転送)サービスに出店
  • 海外消費者向けのショッピングモールに出店
  • 現在運営している国内消費者向けのサイトをカスタマイズ
  • 現在運営している国内消費者向けのサイトとは別に越境ECを新規構築
  • 国内消費者向けECと越境ECを、ひとつのシステムで運用するサイトを新規構築

それぞれ、店舗側の希望する内容によりメリット・デメリットがありますが、最近、国内消費者向けECと越境ECを、ひとつのシステムで運用するご相談が増えています。

それを可能にする手段のひとつが「Magento」です。そこで今回は、Magentoについて紹介してみたいと思います。

Magento(マジェント)とは?

日本で「ECサイトをオープンソースを利用・改変して構築する」というと、国内シェアNo.1のEC-CUBEを思い浮かべる方が多いと思います。越境EC用のプラグインもありますが、国産であることから国内消費者向けECに特化したサービスといえるでしょう。

Magentoも同じEC構築オープンソースですが、Salesforce Commerce Cloud(セールスフォースコマースクラウド)、SAP Hybris(ハイブリス)に並ぶ世界三大Eコマース・プラットフォームとして、海外(特に北米とヨーロッパ)に高いシェアを誇ります。そのため、越境ECを始めるに適したサービスのひとつといえます。

また今年5月、Adobe社がMagentoを買収しました。以前の経緯から不安視する声もありますが、Adobe社のバックアップにより、さらによりよい展開になるのではないかと考えています。

アドビ、Magento Commerceの買収を完了
Adobeによる買収とMagentoの今後について

Magentoで越境ECを構築するメリット

越境ECのために必要な機能が使える

越境ECを実現には「言語・決済・物流」という3つの大きな壁があります。Magentoでは、こういった越境ECに必要な機能が利用できます。

例えば、フロントページにおける多言語表示はもちろん、言語ごとにURLを設定することにより、SEO対策をとることができます。

また多通貨決済や通貨レートの自動読込はもちろん、

  • 日本語表示の場合は日本円
  • 英語表示の場合は米ドル

といった選択肢だけでなく、

  • 日本語表示でも日本円とドルを選べる
  • 英語表示でも米ドルと日本円を選べる

など言語表示と通貨を分けて選択することが可能です。

日本語で使う・翻訳する

Magentoで日本語を使用するには「ロケール=翻訳する」ためのファイルが必要です。正式な日本語化プロジェクトは今年発足したばかりですが、以前からサードパーティーとして提供されているベリテワークス社のエクステンションを利用すれば、無料でコア機能を日本語化することができます。

他言語への翻訳機能がないため、カテゴリーや商品詳細など「店舗独自のコンテンツ」は、自身もしくは外注して翻訳し、設定しなければなりませんが、「Language Translator For Magento 2 / Google Translation API を組み合わせ、管理画面での一括翻訳を可能にする」など、さまざまな手段を検討することができます。

Magento、遂に日本向けローカライズプロジェクトを開始
Magento2 日本語ロケール

豊富なエクステンション・テーマ

EC-CUBEやWordpressのプラグインのように、Magentoにも「エクステンション」という機能拡張用のモジュールがあり、必要に応じて機能を追加することができます。また「テーマ」も用意・販売されているので、業態にあったデザイン・レイアウトを選ぶこともできます。

EC-CUBEのオーナーズストアのように、Magentoにも、品質管理基準に準拠し審査を通過したサードパーティー製のエクステンションやテーマを扱う「Marketplace」がありますので、機能に不安がある場合は、事前に確認してみましょう。

世界中で利用されているオープンソースだけに、無料のものから非常に高額なものまで、非常に多くのエクステンションやテーマがあるので、一般的な越境ECに求められる機能は、ほぼ対応できると思います。

https://marketplace.magento.com/

Magentoで越境ECを構築するデメリット

英語力が必要

Magento最大の懸念は、日本語のマニュアルや情報が非常に少ないことです。正式な日本語化プロジェクトが開始され、最近では日本でも利用者が増えつつあるため、今後さまざまな情報が発信されると思いますが、今しばらくは英語力が必要です。

バージョンアップが大変

Magentoのメンテナンスは、メジャー・マイナー問わず「初回リリース日から2年間」とされています。今のところ、メジャーバージョンは1年に1回、マイナーバージョンは数ヶ月に1回のペースでバージョンアップされているため、かなり高い頻度で対応が必要となります。またMagento本体がバージョンアップすれば、エクステンションやテーマもバージョンアップが必要です。

「都度バックアップをとって、テスト環境で検証して、アップデートを行う」といった作業が大変な場合は、有償サービスの利用やシステム業者への依頼を検討したほうがよいでしょう。

MAGENTO COMMERCE (ON-PREMISES) Subscription Agreement

Magentoで越境ECに挑戦してみよう

前述したように、残念ながらMagentoには、公式の日本語サイトがありません。

しかし世界中で利用されているだけに、英語であれば、公式フォーラムをはじめ、さまざまな私設フォーラム、個人的な情報発信を大量に見つけることができますので、英語が得意な方なら問題ないと思います。

また開設されたばかりで情報量が少ないですが、日本語のフォーラムを運営されている方もいます。

越境ECのお客様は他言語をご利用です。お客様とコミュニケーションをとる練習にもなります。既に国内消費者向けECを運営されている方は、単語さえわかれば、感覚で使いこなせるかもしれません。
「英語だから苦手」と憶することなく、Google翻訳など使えるツールをどんどん使って、まずはチャレンジしてみませんか。

Magento Forums(公式)
Google 翻訳

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