Blog

Blog

ブログ

AIで商品説明を作るプロンプトを3通り比較、「スリム」はどこから出てきた?

  • EC
AIで商品説明を作るプロンプト - AIが作ったEC業務の下書きを安全確認してから利用する流れのイメージ

AIで商品説明を作るプロンプトは、短くても文章を返してくれます。ただ、そのまま商品ページへ貼れるとは限りません。今回のテストでは、元の商品情報に一度も書いていない「スリム」「手になじむ」「通勤・通学向け」まで、もっともらしく足されました。

文章だけを読むと、あまり違和感はありません。むしろ、よくある商品説明に見えます。だからこそ厄介です。どの指示で余計な内容が増え、どこまで指定すれば読みやすさを残せるのか。実際の出力を見ながら比べてみましょう。

試すのは、比較用に作った架空の350mLボトルです。GPT-5.6-terraに、同じ商品情報を見せ方の違う3つのプロンプトで入力しました(2026年8月18日、各回は新しい一時セッション)。

AIで商品説明を作るプロンプト、最初の一文で特徴が増えた

最初は、普段つい使ってしまいそうな短い指示です。「売れる」「魅力的」と頼み、確認済みの商品情報を続けました。

次のテスト用商品情報をもとに、ECサイトで売れる魅力的な商品説明を書いてください。説明文だけを返してください。

渡した情報は、容量350mL、重さ210g、素材、6時間後の保温・保冷効力、2色展開、食器洗い乾燥機が使えないことです。すると、次の説明が返りました。

毎日にちょうどいい、軽量スリムな350mLステンレスボトル。わずか約210gで持ち運びやすく、通勤・通学、散歩、ちょっとした外出にも活躍します。

6時間後も63℃以上の保温、8℃以下の保冷性能で、淹れたてのコーヒーも冷たいドリンクもおいしい温度をキープ。丈夫なステンレス製ボディに、手になじむシンプルなデザインを採用しました。

清潔感のあるホワイトと、洗練されたブラックの2色をご用意。毎日の飲み物を、好きな温度のままスマートに持ち歩けます。

※食器洗い乾燥機は使用できません。

太字の部分は、どれも入力していません。サイズを渡していないのに「スリム」、持ち運び試験の情報がないのに「持ち運びやすい」、形状を示していないのに「手になじむ」と書かれています。

AIが足した表現元データにあるかそのまま公開できるか
軽量スリム重さはあるが、形状の情報はないスリムは削除
持ち運びやすい重さだけでは判断できない削除
通勤・通学向け利用場面は指定していない販売側で決めた訴求なら別途確認
手になじむ形状や使用感の情報はない削除
最初の出力を、入力した商品情報と見比べた結果

AIが事実と違う数字を出したわけではありません。空いている部分を、よくありそうな言葉で埋めたのです。「売れるように」という頼み方が、確認できない魅力まで補う余地を作っていました。

事実だけに絞ると、今度は仕様表になった

では、「書いていないことは足さない」と伝えれば解決するのでしょうか。2回目は、次の一文を加えました。

次のテスト用商品情報だけを使い、ECサイトの商品説明を書いてください。与えられていない性能、形状、利用場面、使い心地は推測して加えないでください。確認できないことは商品説明へ書かないでください。

結果は正確でした。

350mLのステンレスボトルです。本体重量は210g。内びん・胴部にはステンレス鋼、ふたにはポリプロピレン、パッキンにはシリコーンゴムを使用しています。

保温効力は6時間後63℃以上、保冷効力は6時間後8℃以下です。カラーはホワイト、ブラックをご用意しています。

食器洗い乾燥機は使用できません。

勝手に足された特徴はありません。一方で、商品情報を上から読み上げただけになりました。正確さは守れても、「どこを最初に伝えるか」を指定していないためです。

ここはAIに魅力を考えさせるのではなく、販売側で伝える順番を決めた方がよさそうです。この商品なら、6時間後の温度という具体的な数字を先に置き、容量や色を続ける。魅力は新しい言葉を作ることではなく、確認済みの事実の見せ方から出せます。

3回目は「何を書くか」と「何を書かないか」を分けた

3回目は、役割、読み手、伝える順番、書いてはいけない内容、出力の形を分けました。長く見えますが、毎回変えるのは商品情報と禁止項目が中心です。

あなたはECの商品ページ担当です。以下の確認済み情報から、商品説明と公開前の確認メモを作ってください。

対象は350mLのボトルを探している人です。商品説明は180〜240文字で、最初に保温・保冷の数字から分かる魅力を伝え、次に容量・重量・色、最後に食器洗い乾燥機が使えないことを自然に書いてください。

【確認済み情報】
商品:ステンレスボトル
容量:350mL
本体重量:210g
内びん・胴部:ステンレス鋼
ふた:ポリプロピレン
パッキン:シリコーンゴム
保温効力:6時間後63℃以上
保冷効力:6時間後8℃以下
色:ホワイト、ブラック
食器洗い乾燥機:使用不可

【書かないこと】
スリム、漏れにくい、真空構造、持ち運びやすい、通勤・通学向け、手になじむなど、確認済み情報にない形状、性能、用途、使い心地。魅力を出すためでも補わない。

【出力形式】
商品説明:の後に本文。
公開前の確認メモ:の後に、説明へ加えなかった未確認事項を箇条書き。

返ってきた商品説明はこちらです。

6時間後も63℃以上を保つ保温効力と、8℃以下を保つ保冷効力で、飲みものの温度を長く楽しめるステンレスボトルです。容量350mL、本体重量210g。色はホワイトとブラックの2色から選べます。内びん・胴部にはステンレス鋼、ふたにはポリプロピレン、パッキンにはシリコーンゴムを使用。食器洗い乾燥機は使用できないため、お手入れの際はご注意ください。

最初の出力にあった「スリム」「持ち運びやすい」「手になじむ」は消えました。2回目の仕様一覧とも違い、保温・保冷の数字が先に来ています。AIへ「魅力的に」と丸投げするより、どの事実を先に見せるかを決めた方が、商品説明らしさを残しやすい結果になりました。

公開前の確認メモには、本体サイズ・口径、原産国、付属品、注意事項、価格・保証が出ました。これは商品説明へ勝手に混ぜず、販売側が追加資料を見て判断するための別欄です。未確認の内容を「それらしい説明」にせず、作業として残せる点が3回目の大きな違いでした。

自分の商品へ置き換えられるプロンプト

ここまでの差を、一つのひな型にまとめます。角括弧の中を自分の商品へ置き換えて使えます。

あなたはECの商品ページ担当です。以下の確認済み情報だけを使い、[商品を探している人]向けの商品説明を作ってください。

【今回いちばん伝えたいこと】
[最初に見せたい事実と、その理由]

【確認済み情報】
[商品名]
[サイズ・容量]
[素材]
[性能を示す数字と条件]
[色・種類]
[使い方や手入れの注意]

【書かないこと】
確認済み情報にない性能、形状、用途、使い心地、利用場面、比較表現は補わない。特に[間違えやすい表現]は書かない。

【文章の条件】
[文字数]文字。最初に[いちばん伝えたい事実]、次に[選ぶための情報]、最後に[購入前の注意]を書く。難しい言葉を避け、同じ内容を繰り返さない。

【出力形式】
1. 商品説明
2. 説明へ入れなかった未確認事項
3. 元データのどの項目を使ったか

「元データのどの項目を使ったか」も出させると、見比べる場所を探しやすくなります。ただし、AIが「この項目を使いました」と書いたこと自体は証明になりません。最後は、商品台帳やメーカー資料と文章を一行ずつ見比べます。

公開前は、増えた言葉だけを見る

公開前は、元データになかった名詞と形容詞に絞って見比べると、確認する場所がはっきりします。今回なら「スリム」「持ち運びやすい」「手になじむ」です。数字が合っていても、その前後に新しい性能や用途が足されていないかを見てみましょう。

  1. 商品台帳にある事実を、AIへ渡した順に並べます。
  2. AIの文章で新しく増えた性能、形、用途、使い心地へ印を付けます。
  3. 根拠を出せない表現は削り、必要なら商品担当へ確認する欄へ移します。

今回の3回で分かったのは、「短いプロンプトは危ない」だけではありません。禁止事項だけを増やすと、正確でも読みにくい仕様一覧になります。先に見せたい事実を人が決め、AIには並べ方を手伝ってもらう。この役割分担なら、商品説明の読みやすさと事実の確認を両立しやすくなります。

なお、OpenAIの公式モデルガイドでも、「friendly」のような広い言葉だけでトーンを指定せず、求める書き方を具体的に示す考え方が案内されています。今回の比較でも、「魅力的に」より伝える順番まで書いた指示の方が、狙いに近い結果になりました。

本記事は記事内で取り上げる各サービスの提供会社が提供または認定するものではありません。

RELATED

RELATED POST

関連記事