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楽天市場の広告費と採算|ROASだけで続行を決めない失敗分析

  • EC
楽天市場の広告費と採算 - EC広告の予算、対象顧客、掲載時期、効果指標を整理する紙コラージュ

月末の夕方、楽天市場の広告について「数字は悪くなさそうだが、費用を増やしてよいのか」と担当者が迷うことがあります。楽天市場の広告費と採算では、広告費、広告に結び付けて確認できる売上、商品ごとの粗利を一行に置く「広告判断メモ」を完成させます。数字がそろわない案件は続行・停止を決めず、次に確認する資料を残すところまでが今回の作業です。

広告の続行・停止は、ROASの大小ではなく、広告費・確認できる売上・粗利を同じ条件で並べられる場合にだけ決める。広告費だけでは採算が分からず、売上だけでは費用を回収できたか分かりません。さらに、広告に結び付けた売上の範囲が不明なら、比率を計算しても判断の根拠にはなりません。

楽天市場は、楽天市場内外の集客施策と複数の広告メニューを用意していると案内しています。一方、公開案内には個別広告の料金、配信条件、成果は示されていません。費用や条件を記録する前に、利用中の店舗向け公式案内で対象の広告メニューを確認します。公開案内は楽天市場の集客ツールで2026年8月1日に確認しています。

楽天市場の広告費と採算で、先に分けたい三つの数字

広告を出した月の売上が増えていても、その全額を広告の成果とは扱えません。反対に、広告費が発生したことだけを見て止めると、確認できる売上や粗利を見ないまま判断してしまいます。まず、手元にある数字を次の三つへ分けます。

分ける数字記録する内容混ぜないもの
広告費対象期間、広告メニュー、実際に確認した費用、確認元推定した費用や、別期間の費用
確認できる売上何を広告に結び付けた売上として扱うか、その範囲と確認元店舗全体の売上をそのまま広告売上とすること
粗利対象商品の売価から、社内で把握している原価などを差し引いた金額と根拠広告費を引く前の売上額だけによる採算判断

ROASは、一般に広告費に対する売上の比率を比べるための数字です。ただし、比率が見られても、粗利が小さい商品では広告費を引いた後に残る金額が異なります。ここで必要なのは、ROASを捨てることではなく、比率を採算の結論へ飛ばさないことです。

失敗分析:売上の増加だけで予算を増やした場面

以下は実在の店舗、商品、広告実績に基づかない架空の失敗例です。8月の販促を検討する担当者が、商品群「収納用品」の広告について社内メモを作る場面を考えます。

見えていた事実急いだ結論広告判断メモでの見直し
広告費は記録され、対象月の店舗売上は前月より増えていた。売上が増えたので、同じ広告の費用を増やす。店舗売上のどこまでを広告に結び付けるか不明。広告の条件と、確認できる売上の範囲を公式案内・社内記録で確かめるまで予算は変えない。
対象商品の売価は分かるが、原価を含む粗利の記録がない。売上額が広告費を上回るので採算は合う。粗利が不明なため、採算は判定不能。商品群の粗利を確認できる社内資料を確認先にする。

失敗は、売上の数字を見ることではありません。広告費と同じ対象・期間で確認できる売上か、さらに粗利まで確認できるかを飛ばしたことです。広告の数字は一つだけでももっともらしく見えますが、異なる範囲の数字をつないだ結論は後で説明できません。

続行・停止の前に作る広告判断メモ

広告を一件見直すときは、報告書を作る前に次の欄を埋めます。空欄があること自体は失敗ではありません。「決めない理由」と「確認先」が分かれば、推測で費用を動かさずに済みます。

  • 対象:広告メニュー名、対象商品または商品群、対象期間
  • 広告費:確認できた金額と、その確認元
  • 確認できる売上:広告と結び付けて扱う範囲、確認元、確認できない範囲
  • 粗利:対象商品の粗利と根拠。確認できなければ空欄の理由
  • 判定:続行候補、停止候補、判定保留のいずれか
  • 次の確認:公式案内または社内資料の名称と、確認後に決めること

完了条件は、すべての数字を埋めることではありません。広告費、売上、粗利が同じ商品・期間の話かを説明でき、そろわない場合は判定保留と確認先を書けた状態です。

「判定保留」を採算確認の成果物にする

広告費と確認できる売上、粗利がそろった場合だけ、広告費を引いた後に残る金額を見て続行・停止を検討できます。反対に、どれか一つでも対象や期間がずれているなら、ROASを含む比率だけで結論を出しません。たとえば広告費が月単位なのに、売上だけが任意の日の集計なら、同じ土台で比べられないためです。

判定判断メモに残す文
続行・停止を検討できる広告費、確認できる売上、粗利の対象と期間が一致している。広告費を引いた後の金額を確認して判断する。
判定保留広告に結び付ける売上の範囲が確認できない。利用中の広告メニューの公式案内と社内の集計条件を確認してから判断する。
判定保留対象商品の粗利が未確認。粗利の根拠を確認できるまで、売上額だけで採算とは書かない。
広告判断メモに書く判定文の例

この方法には、すぐに予算を増減できないという代償があります。広告の条件や費用の確認先が変わった場合、または商品群ごとの粗利を把握していない場合は、一枚のメモだけで採算を確定できません。それでも、費用と採算を同じ言葉にして結論を急ぐより、何が不足しているかを残せます。

まず一件、費用を変えるか迷っている楽天市場の広告を選び、広告判断メモの「確認できる売上」と「粗利」を埋めてみましょう。二つの欄に根拠を書けないなら、その一件の次の作業は予算変更ではなく、確認先を特定することです。


本記事は記事内で取り上げる各サービスの提供会社が提供または認定するものではありません。

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