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家計消費状況調査、ネット支出1.1%減を「EC離れ」と読めない理由
- EC

家計消費状況調査の2026年6月分は、二人以上の世帯のネットショッピング支出が1.1%減ったと示しています。それだけなら市場が縮んだように見えますが、内訳ではネット利用世帯の支出が増え、利用世帯の割合が下がっていました。
家計消費状況調査は三つの数字を一緒に読む
総務省統計局が2026年8月7日に公表した結果の対象は、二人以上の世帯です。「全世帯」や「全国民」へ母集団を広げず、資料どおりの範囲で比べます。
| 指標 | 2026年6月 | 2025年6月 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 二人以上の世帯のネットショッピング平均支出 | 2万5,915円 | 2万6,191円 | 1.1%減 |
| ネット利用世帯の平均支出 | 4万7,469円 | 4万5,709円 | 3.9%増 |
| ネット利用世帯の割合 | 54.6% | 57.3% | 2.7ポイント低下 |
「利用世帯が何世帯減ったか」は、この割合だけでは分かりません。分かるのは、調査対象に占める利用世帯の割合が前年同月より低かったことです。
割合が下がった理由も、この表だけでは特定できません。未利用世帯への移行、調査月の購入間隔、前年の反動など、別の説明があり得ます。数字が示していない理由を、都合よく補わないことが大切です。

2万5,915円は「利用割合×利用世帯支出」に近い
4万7,469円に54.6%を掛けると約2万5,918円になります。公表値の2万5,915円とわずかに違うのは、表示された割合が小数第1位に丸められているためと考えられます。平均支出は、利用の広がりと、利用した世帯の支出という二つの動きが重なった数字です。
2026年6月は、利用世帯の平均支出が増えた効果より、利用世帯の割合が低下した影響が大きく、全体の平均が前年を下回ったと読めます。これは「買った世帯が節約した」という説明とは違います。
項目別では、減少への主な寄与がチケットでマイナス0.85ポイント、贈答品でマイナス0.71ポイント、衣類・履物と旅行関係費で各マイナス0.60ポイントでした。すべての物販カテゴリが同じ方向へ動いたわけでもありません。
店舗の売上も、人数と一人あたりへ分ける
この統計を個別店舗へ直接当てはめることはできません。ただ、売上を購入者数と購入者一人あたり売上へ分ける考え方は使えます。前年割れした月に、二つを別々に比べれば、平均だけでは見えない変化が出ます。
ここから新規客が減った、既存客が多く買った、とまでは判断できません。新規とリピートを知りたいなら、自店の顧客データで初回購入と再購入を分ける別の分析が必要です。全国の横断的な世帯統計から、顧客の継続行動を推測しないようにします。
家計消費状況調査の1.1%減は、EC離れという一言の根拠にはなりません。利用割合は下がり、利用世帯支出は上がった。この二方向を保ったまま、自店も購入者数と一人あたり売上へ分けて読む。それが、この統計から無理なく持ち帰れる判断です。本記事は記事内で取り上げる各サービスの提供会社が提供または認定するものではありません。
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