企業のホームページを検索するのは、情報を検索している見込み客ばかりではありません。事業を成長させるとともに顧客も増え、そのリピート数が増えることで会社の売り上げも上がっていくものです。
ところが顧客が企業のホームページを再訪した際、更新されていなかったり、いつまでも同じデザインだったりしていては、「会社自体が停滞している」といった悪い印象を与えてしまうおそれがあります。見込み客だけでなく、既存の顧客にとっても「いつも新鮮で」「見やすく使い勝手の良い」企業ホームページであることは非常に重要となります。
そこで今回は、中小企業や小規模事業者のホームページ担当者向けに、ホームページのリニューアル作業を進める際に留意したいポイントや流れなどについて解説いたします。
目次
はじめに
ホームページ(=コーポレートサイト)は、企業ごとに打ち出すイメージに直結するとともに、売り上げにも影響があることはいうまでもありません。見込み客向け、既存顧客向けにかかわらず、自社の情報を常に最新状態で公開できるように整理していく必要があります。特に企業に関わる情報やユーザビリティなどは、定期的なリニューアルを行うことが求められます。
企業ホームページのリニューアル、最適なタイミングは?
一般的なリニューアルタイミングは「3~5年」が目安
一般的に、企業用のホームページのリニューアルが推奨されるタイミングは、3年~5年です。顧客が「いつ見ても新しい情報が更新されている」と感じてもらうためにも、定期的にメンテナンスを含めたリニューアルは行っていくべきです。
また、ホームページのデザイン面のトレンドも移り変わりが早い傾向があります。そのため、WEB制作会社に依頼して一度作ったら終わりにせず、できる限り定期的にチェックを入れた方が良いでしょう。
デザインのトレンド傾向はホームページの種類によっても多少異なるため、下記を目安にしてリニューアルの計画を立ててください。
ホームページのトレンド傾向
種類 | リニューアル実施目安 |
BtoC※ 向けホームページ (※企業がモノやサービスを個人 に提供) | 約3年 |
BtoB※ 向けホームページ (※企業がモノやサービスを企業に提供) | 約6年 |
年数以外のリニューアルを行うべき判断基準4つ
年数以外にも、リニューアルした方が良いと判断した方が良い場合があります。
【判断基準①】ホームページが古い・重い
制作・公開後、何年も放置されたホームページは、見ても明らかにが古く感じます。例えば、HTMLのみで書かれたホームページは簡素なデザインが多く、企業ホームページとしてはやや古く見えがちです。 また、ホームページで使用されている画像を軽量化していないとページの読み込み速度も遅くなり、結果的にSEO面ではマイナスにもなります
【判断基準②】情報が整理されていない
よくありがちなのが、ホームページ上の情報を追加・削除を繰り返すうちにいつの間にかリンクが切れてしまったり、古い情報の消し忘れが生じたりする状態を放置していることです。掲載済みの情報ページのファイルがたくさん残ったままではサーバーの容量にも負担をかけることになります。
【判断基準③】スマートフォンや最新のデバイスに対応できていない
リニューアルされていないホームページの中には、現在では標準となっているレスポンシブ対応も未対応であることが多く、顧客がPC以外のデバイス(スマートフォンやタブレット)でホームページを見ようとすると、ホームページのデザインが崩れてしまい見にくくなってなり途中離脱が起こりやすくなります。
【判断基準④】分析ツールや集客や接客ツールが導入されていない
リニューアルされていないホームページでは、制作した年にもよりますが、古いものだと分析ツールや接客ツールが未導入の場合が多いです。例えば、もっともポピュラーなアクセス解析を行う「GA4(Google Analytics4)」や、ホームページのエラーがわかる「Google Search Console」は今日では導入が標準となっています。またリードの訪問回数などがわかる「MA(マーケティングオートメーション)」などの分析ツールや、顧客の問い合わせに自動で回答する「AIチャットボット」などの接客ツールも、導入する企業が増えています。
以上の①~④が行われていない(導入されていない)場合は、ホームページの公開年数にかかわらずリニューアルの検討をされるのもひとつです。
こんなリニューアルはムダになる!「よくある失敗事例6選」
前述した判断基準のいずれか、もしくは複数が該当したことで自社のホームページのリニューアルを行うことになった時、すぐに着手するのはNGです。まずはありがちな失敗事例を知り、自社ホームページのリニューアルがスムーズに進められるようにしましょう。
ここでは主な6つの失敗事例をご紹介します。
【よくある失敗事例①】競合他社のHPをそのまま真似する
リニューアルを行う際、担当者がまず行うのは「競合他社のホームページがどのようになっているか」です。実際、自社のものよりも見やすくデザインもステキだと取り入れたくなるものです。しかし、同業者のホームページは顧客も比較目的に見ていることを忘れてはいけません。あからさまなコピー行為はデザインの盗作にもなってしまうばかりでなく、昨今ではSNSで簡単に広まり、炎上するリスクまであるので絶対に避けましょう。
【よくある失敗事例②】ホームページのデザインしか手が加えられていない
企業のホームページをリニューアルする際、「外見」となるデザインを新しくすることに注意が向けられがちです。しかし全体的な構造やSEOなどの見直し無くしてリニューアルとはいえません。例えば、静止画像だけのホームページから動きのある動画を埋め込むことで、一時的に直帰率を下げることはできても、中身の更新ができていないとすぐに顧客は離れてしまいます。デザインのトレンドを追うだけではなく、顧客にとって実用性のあるホームページになっているかを点検することが重要です。
【よくある失敗事例③】ホームページのユーザビリティが悪い
ホームページのユーザビリティは、企業のホームページにとっては欠かせない条件のひとつです。例えば、ホームページ内をいくら探してもなかなか必要な情報が見つからなかったり、ページの階層が多くてなかなかたどり着けなかったり、問い合わせフォーム画面で求められている入力の項目が多過ぎたりといった使いにくさは、そのまま顧客の企業に対する評価にもなりかねません。
さらに使いにくいホームページは、離脱率も高まり顧客獲得面でも不利です。リニューアルを行う際は、顧客視点でのユーザビリティ改善を意識する必要があります。
【よくある失敗事例④】SEOが手つかずのままになっている
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」のことです。検索エンジンの自然検索結果でホームページが正常にインデックスされるようにすることや、ホームページを上位で表示させるために改善することなどが含まれます。
リニューアルではSEOの改善も不可欠ですが、万が一SEOを無視したリニューアルを行うと、検索エンジンから評価されず、せっかくの費用をかけてリニューアルしたにもかかわらずアクセスアップが一向になされないということも起こります。
リニューアルする際は、顧客の役に立つ内容や探しているものが何かを理解することが先決です。その上で、顧客が求めているコンテンツを用意したり、モバイルフレンドリーで顧客がストレスなくスマートフォンなどで閲覧できるようにしたり、ホームページの表示速度を挙げたりといった対策を行っていくことになります。
既存顧客だけでなく、インターネットを介して多くの顧客をより多く獲得するためにもSEOは必ず実施しましょう。
【よくある失敗事例⑤】運用しづらいシステムにしてしまう
ホームページは公開して終わりではないことはすでにお伝えしましたが、一・二度のリニューアルで終わりでもありません。メンテナンスを兼ね、定期的なリニューアルを実施していくことが必要です。その際、担当者が運用しづらいシステムを構築すると更新頻度も下がり、結果的にホームページとしての評価も芳しくないものになりがちです。ホームページを自社内で運用することを考慮し、コンテンツの更新もやりやすいシステム構築を意識しましょう。
【よくある失敗事例⑥】古いホームページで抱えていた課題が未解決のまま
ホームページのリニューアルの主な目的は、「ホームページの課題を解決し、顧客視点で使い勝手の良いものにすること」です。にもかかわらず、ホームページのユーザビリティの向上やアクセスアップにつながる改善がなされていないようでは意味がありません。
改善すべきシステムか否かを判断する際は、アクセス分析ツールを用いてデータに基づいた判断をするようにしましょう。
ホームページのリニューアルの進め方
ホームページをリニューアルするということは、新しいホームページを構築するための工数や予算が必要になることもよくあります。リニューアルするにあたり、①目的や方針、②かけられる予算、③進行スケジュール、といったことも社内で決めていく必要があります。自社のコンセプトが顧客に明確に伝わるようにリニューアルを進めていきましょう。
1.既存ホームページの現状分析
まずは現状分析を行います。主に確認する項目はこちらです。
- アクセス数に問題はないか
- アクセスの多いユーザープロフィールがターゲットとマッチしているか
- ホームページの回遊率や滞在時間はどうか
- お問い合わせの数が少なすぎないか
問題点がある場合は、解決するための計画を立案します。
2.自社ホームページのポジショニング調査
自社のホームページが、現状では競合他社のホームページと比較してどのポジションにあるかを調査します。ポジショニング分析には、3C分析、4P、SWOTなどを利用することが多いです。
3.競合他社ホームページの調査
競合他社のホームページを調査します。構成、デザイン、コンセプト、コンテンツの充実具合、ユーザビリティなどを自社と比較することで自社と差別化できるポイントを探し、リニューアルの立案にも盛りこんでいきます。
4.制作会社の選定・依頼・リニューアル実施
制作会社の選定は、ホームページのリニューアル期間を考慮し、スケジュールに間に合うように決めます。制作会社に見積もりを依頼する際は、予め自社内で下記の項目を決めておき、見積もりの際に伝えましょう。
- リニューアルにかかる希望予算
- 希望納期
- どんな機能が欲しいか
- 改善したい問題点は何か
- ベンチマークにしている競合他社のホームページ一覧
見積りの内容を十分確認後、正式な依頼を経てリニューアルを開始することとなります。
5.納品後チェック
ホームページのリニューアルが完了したら納品チェックを行います。
デザインチェック
文字サイズ、太さ、文字間隔、余白、表記のゆれがないか、スペルミスなどを確認します。
コーディングチェック
Chrome、Edge、スマートフォンなどの端末で各ブラウザの確認を行います。またPCでレイアウト崩れがないか、ホームページ内リンクが正常に動いているかどうかも確認します。
フォームチェック
問い合わせフォームで未入力項目があった場合にエラーが正常に動作するか確認します。またユーザーや管理者宛にフォームから自動返信メールが正常に届いているかも確認します。
SEOチェック
metaタグ情報に、適切なタイトル、ディスクリプション、キーワードが設定されているかを確認します。
導入タグチェック
「Google Analytics4」「コンバージョンタグ」、広告をかけるのであれば「Google Adwords」などのタグが埋め込まれているか確認します。
リダイレクトチェック
古いURLから新しいURLに自動的に移動するリダイレクト処理を行い、正常に動作するか確認します。
まとめ
今回は中小企業や小規模事業者のホームページ担当者向けに、ホームページのリニューアル作業を進める際に留意したいポイントや、リニューアルの流れなどについてご紹介しました。自社のホームページの現状の課題を洗い出した上で解決すべきタイミングを整理し、効果的なリニューアルを行っていきましょう。
ホームページのリニューアルにお困りの場合は、ウェブモ株式会社に相談ください。私たちはホームページ制作の専門知識と経験を持ち、お客様に最適なサポートを提供します。お気軽にお問い合わせください。
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